兵隊やくざ:1
- 1:兵隊やくざ
-
昭和18年ソ満国境の孫呉の丘に関東軍4万の兵舎がありそこに浪曲師からやくざの用心棒だった大宮貴三郎(勝新太郎)が新兵として入隊し、貴三郎の指導係がインテリで幹候試験をわざとすべった3年兵・有田(田村高廣)だった。
貴三郎はびんたは効かず、禁止の棒を使うと反抗し、風呂で砲兵隊とけんかして有名になり、上等兵達の敵意を買い大学で拳闘選手の砲兵隊の黒金伍長(北城寿太郎)は貴三郎を痛めつけるが有田が間に入り、古兵の出現で部隊が異なり決闘になり黒金は指の骨を全部折られ、それで貴三郎と有田の間に力強い男の絆ができた。
進軍訓練は貴三郎は苦手で有田は班長と掛け合い、2人で近道を取り面倒を見た。
黒金は軍曹になり有田を襲い、貴三郎を呼び出し有田は班長に応援を頼み、歩兵隊と砲兵隊の喧嘩になった。
事件は上官に知れ部隊は外出禁足令になるが、貴三郎は兵舎をぬけ出し脱走と疑われるが、将校専用の芸者屋で音丸(淡路恵子)と遊び有田が迎えに来た。
有田は自ら制裁することで貴三郎を不問にしてもらい、竹刀で殴り貴三郎は自らを傷つけた。
やがて秋になり貴三郎は一等兵になり、戦況は悪くなり有田の満期除隊は無くなった。
野木二等兵(森矢雄二)が脱走し拳銃自殺し貴三郎は呼びかけた自分のせいと言い、憲兵(成田三樹夫)が馬鹿にしたのを貴三郎は怒り落ち込んだ。
貴三郎は野木の仇に炊事に殴り込み、石上軍曹(早川雄三)は仲直りするが有田は危険と注意し、音丸に石上軍曹の女・みどり(滝瑛子)から石上の砂糖横流しを聞いた。
有田は貴三郎を集団で喧嘩させる石上を砂糖横流しで脅すと、石上は貴三郎と1対1で喧嘩を始め痛めつけた。
慰問に貴三郎の師匠・桃中軒梅竜(山茶花究)が来て、貴三郎は内地に物を託した。
隊に南方へ出動命令が出て貴三郎も入り、有田は何も出来ないが貴三郎は故意に無断外出し訪ねた有田を殴り営倉入りして南方に行かなかった。
<以下、隠し字>
有田は営倉に貴三郎を訪ね、その内に大隊全員に転進命令が下り、貴三郎は有田に脱走を勧め計画があると言った。
有田は音丸から準備の物を受取、貴三郎と有田は部隊を乗せた列車を切り離し、有田と貴三郎が乗った機関車はばく進した。
監督:増村保造
脚本:菊島隆三
原作:有馬頼義
出演者:勝新太郎・田村高廣・成田三樹夫・淡路恵子・森矢雄二・北城寿太郎・早川雄三・滝瑛子・山茶花究
制作年:1965年
感想: シリーズ第1作。
軍隊は別世界で、けんかと制裁ばかりだが、そこに不純物が入った。
インテリとやくざの名コンビが活躍する。
- 2:続・兵隊やくざ
-
機関車を分補った大宮貴三郎(勝新太郎)一等兵と有田(田村高廣)上等兵は、地雷でふっとばされ陸軍病院に運ばれ、看護婦・緒方恭子(小山明子)に看病された。
二人は病棟医長(玉置一恵)から北支・九竜間の独立守備隊へ移動になり古参兵が多くいたが貴三郎は直ぐに評判になり、鬼・江崎軍曹(芦屋雁之助)やゴマすり・青竹軍曹(芦屋小雁)や北川上等兵(阿部脩)いた。
貴三郎は、有田の頼みで八木曹長(上野山功一)の当番兵になり、曹長官舎には岩波(睦五郎)と八木が同居しており博打で貴三郎は儲けた。
岩波は八木が当直の晩に、芸者・染子(水谷良重)を呼び貴三郎にみせつけ、貴三郎は女(毛利郁子)を連れ込んだ。
初年兵の脱出で岩波が中隊に泊まった夜に八木が染子を連れてきたが岩波が夜中に帰り、騒ぎとなり岩波は八木に憎悪を抱いた。
貴三郎が当番兵を馘になり、中隊は八路軍討伐に出動したが岩波は初年兵に捕えた老爺(石原須磨男)の処刑を命じたが、無暴という有田らで処刑は中止となるが、多久島(須賀不二男)中隊長の指示で有田はリンチを受け、貴三郎は黒住兵長(五味龍太郎)らに仕返しして捕虜の老爺と娘(伊角静江)を逃がした。
その夜八路軍の夜襲があり八木曹長は死亡し、背中銃弾に疑問を持った有田は八木の死体の弾と貴三郎が入手した岩波の弾を比較した。
<以下、隠し字>
貴三郎は野戦病院に転属した緒方看護婦に弟に会いたいと言われ、中隊長は彼女に弟・緒方一等兵(酒井修三)との面会と引替えに迫ったが、貴三郎は有田と姉弟面会させた。
岩波は貴三郎らを上官侮辱罪で軍法会議にかけると脅かしたが、有田は岩波に八木の心臓から出た弾を見せ逆に脅した。
貴三郎は有田と緒方看護婦を連れトラックで大脱走した。
そして、・・・・。
監督:田中徳三
脚本:舟橋和郎
原作:有馬頼義
出演者:勝新太郎・田村高廣・小山明子・水谷良重・須賀不二男・五味龍太郎・上野山功一・睦五郎・芦屋小雁・芦屋雁之助・阿部脩・毛利郁子・酒井修三・石原須磨男・伊角静江・玉置一恵
制作年:1965年
感想: シリーズ第2作。
貴三郎の暴走と有田の冷静さが、より目立つ。
逃げたり戻ったりの、シリーズのスタイルが固まったと言えます。
- 3:新・兵隊やくざ
-
軍用トラックで軍隊を脱出した大宮(勝新太郎)と有田(田村高廣)だがガソリンはきれ八路軍の攻撃をうけ、友軍が現れ二人はまた軍隊に復帰したがこの八路軍討伐の鬼頭(北城寿太郎)中隊の訓練は厳しかった。
二人は隊内で大暴れし連隊が怪我で動けなくなり、憲兵(夏木章)が来て再度の脱走を計り、労働者から服を奪い天津についた大宮と有田は野戦貨物廠の物資盗みを計画した。
潜りこんだ二人は万年一等兵・豊後(藤岡琢也)を仲間にして、大宮の腕力・有田の機智で荷馬車一杯の砂糖袋を奪い、大宮と有田は妓楼竜宮で桃子(瑳峨三智子)に会い騒ぎ、妓楼の主人・根上(遠藤達雄)に誘われ有金全部賭場で取られ、花代のため根上のもとで下働きになった。
大宮と有田は桃子・朱実(真城千都世)・よし子(紺野ユカ)・花子(田中三津子)・紅子(緋桜陽子)らと待遇に不満で脱走したが、解散は無責任と言い大宮は女郎屋「いろは」を開店した。
有田を追ってきた根上は店を見つけ破壊し、大宮を翌日呼び出し根上と山本憲兵隊長(神田隆)が待っていて、青柳憲兵隊伍長(成田三樹夫)が通りかかり中止になった。
大宮は桃子惚れて忍び入り、有田と豊後も結婚せよと言い、坊主あがりの上州一等兵(玉川良一)を呼んだ。
憲兵・青柳がきて店を調べはじめ、豊後は元同僚の青柳に会い「青柳の殺人」を知っていたが殺され、葬儀に来た青柳に大宮は過去を匂わせた。
有田は桃子の事を心配し青柳と取引するが青柳は大金を要求し、無謀に刃向かう大宮と逮捕され拷問を受けた。
<以下、隠し字>
有田は山本憲兵隊長と取引するが、憲兵は軍法会議にもかけず闇で葬むろうとしたが、スキを見て大宮は拳銃を奪い有田を助け暴れて、隊長室に手榴弾をなげてオートバイで脱走した。
監督:田中徳三
脚本:舟橋和郎
原作:有馬頼義
出演者:勝新太郎・瑳峨三智子・田村高廣・成田三樹夫・藤岡琢也・玉川良一・遠藤達雄・神田隆・北城寿太郎・夏木章・真城千都世・紺野ユカ・田中三津子・緋桜陽子
制作年:1966年
感想: シリーズ第3作。 前作を前提にした連作になっています。
簡単に脱走できすぎだが、展開は広くなった。
結婚した大宮はどうなる。