「歩兵の舞」はじめに               
 
 構想10年、第2作品集です。ただし、具体化して作図した期間は約3割程度です。
初形条件作を作りたかったのですが、「小駒の舞」の盤面1色図式を作っているときに、
歩の1色図式が飛びぬけて美しく感じて創作を開始しました。
 この条件では、形から手順を見つけた物、無仕掛け・裸玉に歩を加えた物が見られます。
私は手筋派ですので、表現したい手筋を条件の制限で作ることを目的としました。
 初形条件作は後半のまとめと、不完全作の修正が困難とされています。本作品集も
これの呪いから逃れられず、ほとんどが易しい作品となっています。合駒もありますが
特別に複雑な物はなく、解くのがいやな作品はないと思います。ただし、類似手筋・
作品は予想されますが修正自体が出来ないので、特にチェックはしていません。肯定は
しませんが、厳しい条件は考慮して考えて欲しいと希望します。
 本作品集は、全作未発表の新作です。全未発表は1回は作りたかった作品集です。
ストックの期間に複数の同一条件作が発表されました。心おだやかではありませんが、
宿命でしょう。
 本作の検討には、急激に進歩した、「励棋」と「脊尾詰」の余詰検討機能を可能な限り
使用しました。少なくても、不詰と短手数の余詰は無いと思います。
 歩の一色図式は以外とやっかいな条件です。歩は18枚と駒は多いですが、2歩禁の
ため1筋に2枚しか駒を配置できません。しかも玉方の守備が非常に弱いことが特徴です。
結局玉がひとりで彷徨する手順になってしまうようです。
 不成については、結局桂は出来ず、歩は傷が消せませんでしたが、5種類の不成を
実現出来たので、これを本集での作者が選ぶ代表作としたいと思います。桂は不可能と
思っていましたが、今は可能性はあると考えはじめました。しかし、構図を得るまでには
まだ時間が必要です。
 例によって、また多くの人の協力を得ています。非常に感謝します。


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