「犠合の舞」はじめに
                         
 条件作作品集の、第9集「犠合の舞」です。
 玉方の応手に、攻方の飛角香などの王手に対する合駒があります。そのなかに合駒を
取られても取り返せない状態があります。その瞬間のみを見れば、ただ単に取られる
だけの合駒です。通常、中合・中間合等と呼びます。また、玉に接してる場合に捨合と
呼ぶ事もあります。詰将棋の作意手順では、無駄合は省く事になっているので全体を
見れば意味のある合駒です。従って合駒を犠牲にして玉方は別の利益を得る事になります。
 本作品集では上記中合と捨合を犠牲合と呼び、「犠合の舞」と名付けました。通常合
でなく犠牲合集にしたのは、通常合は既に百番集が発行されているからです。
 犠牲合の目的は、簡単なものから複雑なものまで多数あり、これらを分類して網羅
する事は非常に困難な事です。また「舞シリーズ」は条件作のシリーズですので目的
ではなく条件で整理することにしました。
 本集では、7作を1シリーズにして12シリーズを並べ、残り16作をその他として
加えました。7という数字は犠牲合になじみのある数字です。玉を除く駒の種類が
7種類あります。従って種類を条件にすると7局が1条件になります。また、盤面が
9列・筋あるので合駒の打てる場所は7ヶ所になります。従って玉と合駒の距離が
7種類あることになります。移動合では厳密には13種類になりますが、本集では生駒
で分類しています。
 通常、形が同じ・手順が類似した作品は類作と呼ばれます。逆に形が類似して手順が
異なる作品を意識して作る場合に姉妹作と呼びます。親戚筋の大道棋では合駒によって
手順が大きく変わり七変化などと呼ばれる事があります。本集では2シリーズで
七変化を試みていますが、余り成功とは言えないと思っています。努力の跡のみ見て
下さい。
 「舞シリーズ」で恒例的になった複数組み合わせ条件は、本集でもあります。
6種類の不成・香先香歩などです。
 結果としての目的分類は、最後にまとめますが不充分で有ることは分かっています。
12のシリーズを示して作品集のはじまりとしたいと思います。
 合駒はルール上の不備と思われる事柄があり、無駄合や馬鋸の合駒特例など解釈に
異論が多い分野です。従って詰将棋作者側の間違いが起きやすいと共に、最近進歩して
きたコンピュータ解図・検討でも間違いが度々生じます。本集の検討には、脊尾詰と
柿木6を使用しましたが間違う事や解が出ない事がいくつかあります。作品の不備か、
コンピュータプログラムの不備かの判断は当然ながら作者の私が行っています。
 その他協力していただいた方に感謝いたします。
 
シリーズ1 飛王手に対する中合(種類)1/7番
シリーズ2 角王手に対する捨合(種類)8/14番(姉妹局有り)
シリーズ3 香王手に対する中合(種類)15/21番(姉妹局有り)
シリーズ4 香王手に対する捨合(種類)22/28番
シリーズ5 移動捨合(種類)     29/35番
シリーズ6 移動中合(種類)     36/42番
シリーズ7 飛王手に対する歩犠牲合(距離)43/49番
シリーズ8 角王手に対する歩犠牲合(距離)50/56番
シリーズ9 香王手に対する歩犠牲合(距離)57/63番
シリーズ10 飛王手に対する桂犠牲合(距離)64/70番
シリーズ11 龍王手に対する歩犠牲合(距離)71/77番
シリーズ12 馬王手に対する歩犠牲合(距離)78/84番
 
             
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