大道棋 金問題
凡例 <n>:既発表局 (n):既発表局の変更又は修正図
%n%:出版本の修正又は誤植等の変更図
n:記号なしは未発表局=初出が出版本
大道棋は、間違うかどうかが勝負です。
普通の詰将棋と異なり、傷や収束の乱れや駒余りは許容されます。
また、解答者に錯覚をもたらすように作られます。従って類作の判断が全く異なります。
詰みそうも無い作品は失敗です。簡単に詰みそうで間違う作品が成功です。
優れた類型も多いですが、何故か私は「金問題」と呼ばれる作品群に興味があります。
金問題の醍醐味は、飛中合から角合にあります。
しかし、常識的になると変えたくなります。
金問題のほぼ基本形です。69玉・54銀・44龍が無ければ
19手目に57角で何を合駒しても詰みます。
本作は69王がいるので、66歩・同角・75香・同角・54飛
64香で詰みません。
83桂は珍しいです。普通に攻めれば85歩合で駄目に思えます。
しかし69桂があるので、やはり角合になります。
89香から85桂と攻めるのは珍しいと思います。
87とは珍しいです。普通に攻めれば打歩詰で駄目に思えます。
しかし69桂があるので成立します。一旦95玉と逃げて下さい。
いくら大道棋といっても収束は、乱れすぎの感があります。
51や62の駒を53角で狙う形はしばしば有ります。
普通の8六飛合は簡単に詰みます。
双玉の時に限って、逆王手で別の種類の合駒が使えます。
攻方の玉位置から桂合はすぐに分かるでしょう。
狙いは73金合と、飛不成2回です。金合は普通は
香合で、1割程度でしょうか。飛不成は金問題では
珍しいと思います。
次の9番の原型です。2段歩合はありませんが形との
バランスではまとまっています。
詰パラ誌の解答者には9番を投稿しました。
86金合が狙いです。金問題は飛合との先入観があれば
との思いです。ただまとめが難しく駒数が増えてしまい
ました。後半の桂と歩の捨合はせめてもの追加狙いです。
普通詰棋の様な収束手順です。大道棋では良いとも
いえませんが、見つけてしまったので決着です。
84角の筋は若干発展性はあります。
53角で87飛から33角と打つ筋です。44桂を置き
少し手順を変えましたがまだ完成度は低いです。
本来の構想は当分、完成しそうもありません。