顧客サポート
顧客サポートとは、製品というものは顧客が使いこなしてはじめて意味がある事の認識から始まります。情報を完全に 公開出来ませんので、そこに現実的な難しさがあります。
実例1:新機能実現の可能性の問いあわせ例
技術と要求機能はたえず難しい方向に変わってゆきます。最終製品メーカーの設計が順番に、モジュール・部品メーカーに次第に具体的に広がってゆきます。
その過程で、初めて使用する部品や要求機能に出会います。それを実現する為には、使用する材料・部品等にも高い要求機能が提示されます。
この様な場合は、ボトルネックが明確であり、コストを含めた入手可能性を早い段階で確認して情報を集める必要があります。
まずは、部分的な技術問い合わせが顧客から(営業を通して)入って来ます。それを純粋な技術問題として開発部門に検討要請するか、すでに開発が終わっている技術や量産技術で可能かを設計的に検討します。そして最終的に、どの様な内部対応や準備が必要かを技術部門の責任者に報告してそのアドバイスを元に対応の可否を回答します。(2008/12/04)
実例2:顧客技術・設計への製品紹介例
顧客から発注先の持つ技術と発注元に必要な知識と業界全体の知識の説明を求められることは多くあります。製品カタログ以上の専門情報が対象です。
その場合は、営業のテリトリーを越えていますので、製造部門の技術サポートが担当するのが普通です。
形式としては、1対1の技術者打ち合わせから、1対複数技術、技術説明会まで複数あります。顧客側が製造部門を訪問する事もありますが受注側が顧客を訪問する方が圧倒的に多いといえます。
いずれも必要項目としては、顧客のニーズを把握して内容を決める事。
対象製品が存在するならば、顧客が中間部品メーカーであってもそこの製品と最終製品との双方の製品知識を事前に集めておく事。
自社の扱う製品業界の常識レベルの紹介と、自社の特徴技術・製品群の紹介の双方を行う事が必要です。(2008/12/23)
実例3:顧客のトラブル対策へのサポート例
製品が顧客で問題を発生させる事は多くあります。
その原因が直ぐにわからない場合は、トラブル原因の特定と対策に協力を求められる事も多くあります。
トラブル内容が製品の仕様はずれというクレームの場合は、協力というよりも文字通りの返品・クレームです。この場合は窓口は技術部門ではなく、品質管理部門が当たります。品質管理部門は立場は製造部門と独立させる事が普通ですが、内部的には微妙です。
クレームの場合は、技術部門は品質管理部門から対策を要求される事になります。
製品は仕様内でありながら、顧客でトラブルが起きた時は顧客が対応する事ですが、実際は製品納入側もトラブル原因の特定と対策に協力が必要な事が多いです。その対応は内容にもよりますが、具体的になるまでは技術サポート部門の担当になります。
この時に難しいのは顧客の部門構成です。製品仕様を取り決めた技術・設計部門と、顧客の製造・品質部門が対立している場合は顧客内の事情に詳しい営業と詳しい打ち合わせがないと、対応方法が分からなくなります。(2009/04/06)
実例4:顧客の使用部品メーカーとの直接仕様調整
顧客仕様に「メーカー指定である部品と、はめあいで不具合無きこと」が時々あります。
不具合無きことという表記は、部品設計者にとって微妙です。
具体的な公差等の表記は、顧客と仕様調整しますがこのような仕様の時は具体的な公差記述の有無の確認>矛盾時の優先の確認へと進みます。
顧客にとっては、使用時に問題がなければ良いですから「問題無きこと」がほぼ優先です。
勿論このような仕様の時には、対象の部品のメーカーと品番とその仕様が明確になっています。
仕様書が不足している場合は、その部品メーカーから取り寄せます。
設計部門のしっかりした顧客の場合は、部品メーカーの担当者と引き合わせてくれますが、通常はそのような便宜はありません。
製造課の窓口と営業担当が協力して、該当メーカーの担当と接触して具体的な仕様調整を行う事になります。顧客が間に入らない 場合でも顧客サポートの一つです。(2009/10/04)
実例5:顧客の製造部門への移管サポート
顧客の製品開発部門が、製造部門であるとは限りません。
開発>量産試作>量産 の移行は大抵の所は行います。
この時の、初期の発注部門と最終の量産製造部門の関係は、顧客ごとに異なります。
顧客の最終製造部門が、移管後に独自に製品自体ではなく、納入形態や検査書などの追加依頼もあります。
製品価格に影響する場合は、その決定権の有無も関係します。
製品仕様が変わる場合は、設計変更になりますので、その時点の権限のある場所の確認が必要です。
ただし、権限が移行していても、設計との間で連絡が悪い所もあります。
そうでなくても、実際にの納入先との要望や打ち合わせを通じてサポートする事は多いですし、窓口が絡む事は多いです。(2012/05/03)