顧客訪問
顧客訪問とは、もっぱら自社拠点内で日々技術検討・開発・設計等を行っている技術担当者が、目的を持って顧客を訪問 する事です。目的とは、具体的なテーマ・商品・技術を示します。
上記以外にも、挨拶・業界情報収集・初期営業活動のために顧客訪問を行う事があります。これも重要ですが、技術の 打ち合わせ等を含まない場合もありますので、ここでは省きます。
実例1:新製品の仕様を明確化させる例
製品設計は、図面で具体的に表します。ただ、その内容は必要な仕様を正確に表している事は希です。なぜならば、図面 制作者がどの程度、製品の要求仕様を熟知しているかがバラバラです。
また一方では、図面化した商品・部品等の製造工程は熟知していないのは普通です。その時は、図面の解釈が受注して製造 する側とずれが生じます。図面通りの製品ではなく、本来は顧客が期待している製品を供給する必要があります。そこには、 完成製品に対する食い違いは無くす必要があります。
業界レベルで、製造不可能かあるいはオーバースペックの仕様が図面化されている場合があります。製品にはコストが つきものです。そしてそれは、継続的に改善が顧客要求にあります。製造側からは、それに応じる可能性は製品仕様と 製品良品率と製造コストで異なります。
必要な仕様は厳密に、実用上は不要な仕様は必要レベルになった図面と仕様に変える事は、発注側と製造側の双方にとって 有益です。
製品に本当に必要な仕様を理解している担当者が一人で忙しい場合や、担当が複数の時は製造側が顧客を訪問して、 多くの人と打ち合わせする事で双方の理解と必要な仕様の明確化が可能になります。ただし訪問側の人数は限度があります ので、商品・設計・製造他の多方面に詳しい技術担当者である必要があります。(2008/12/07)
実例2:自社技術・製品の紹介
ある程度取引がある会社の場合、技術者が出向いて顧客の技術者複数と直接にミニ講演会か自社紹介を行います。
その場合は既に、該当顧客の製品内容も分かっているのでかなり具体的な内容に絞れます。また事前に内容の要望を尋ねる事も 可能です。
ただし注意は、技術と言っても分野は広いですので、顧客の技術者に理解されるかどうかは事前には把握は困難だという事です。 説明の反応や質問等で当日に内容を調整する事を容易しておくのがベストです。
そして、製品紹介では現在生産中の製品とその技術についてと共に、開発中や技術開発が終了していて受注活動中の製品・技術 も合わせて紹介する事です。
ただし後者は、特許や他社顧客との共同開発・機密保持上での問題も考慮して事前に充分に内容を吟味する必要があります。 ある程度は一律的な内容になる事もこちらはやむを得ないでしょう。
営業的には、顧客に自社情報を送る事で受注活動につなげる事が目的です。しかし、技術者の立場では討議・質問の中から 新しい需要や戦略的開発技術を掴む事も視野に置く必要があります。(2009/03/07)
実例3:部品メーカーの技術開発サポート
顧客が部品メーカーである事は多いです。そこには、末端ユーザーからの新技術・新製品対応要望が集まって来ます。
その顧客では、それらに合わせた製品・技術開発を行いますが、その為にはその部品メーカーが購入する部品の技術対応の可否 情報が必要です。
その結果は、色々な形で現れます。
その一つが、購入部品メーカーとの技術対応可否の打ち合わせです。シンプルに図面を書いて、複数メーカーでの合い見積もり も手段としてありますが解答があっても不安感はあります。
部品メーカーの技術・設計担当と直接に具体的な対応の可否を打ち合わせる方法は、時間はかかりますが精度は高いです。
これを受注側から見ると、多くは営業サポートの技術の担当になります。どちらが訪問するかの問題はありますが、通常は 受注側が顧客訪問する場合が多いです。(2009/06/05)
実例4:品質保証担当サポート
製造が量産担当に移行すれば、製品の品質やトラブルは品質保証担当部門が行います。
品質保証部門というものは元々は、製造担当や設計担当とは別組織で顧客と製造の双方と中立の立場で処理をする部門です。
しかし、製品が高度で複雑になるとそして特に受注生産になると、品質は各部品共通のものと、個別に異なるものがあります。
その中で後者は建前だけでは、トラブルは解決出来なくなります。対顧客とのとりまとめや正式回答等は、当然行いますが その基本となる原因の追及や対策案作製及び実施は、全ての部署が協力して行う必要があります。
この内で設計・試作・量産移行試作・仕様内容等は、技術営業がまとめ役になります。
担当の移行は、結果の確認後に行っていますが、高度な部品になると量産後にトラブルが発生する事は避けられません。 時代と技術レベルと共に対応方法も換わります。
品質保証と一緒に顧客訪問する事は多くありますし、時には顧客技術と共にトラブル改善の打ち合わせで単独で顧客訪問を 行う事もあります。(2009/11/03)