「限打の舞」はじめに
手順条件作という言葉自体意味があいまいですが、既に第3集で不成を取りあげました。
本集は手順条件としては2番目で、飛角香(いわゆる跳び道具駒)の限定打をテーマと
しています。
本来の構想は遠打ちですがそれ自体が難しい条件のうえ、短編主体の私の守備範囲内
ではより難しい事もあり、限定打としました。限定打には短打も含まれる訳ですが、
今回は一間離し以上を条件としました。結果的に1間離し・2間離しが大多数に
なりましたがある程度予想された結果です。むしろ、短手数作の比率が予想以上に
多くなったことに幾分は満足しています。
限定打を分類する方法はいくつかあると思いますが、私は一番簡単な分類を行いました。
詳細は本集の最後にまとめますが、複合目的を除くと香は3種類、飛と角は8種類に
なります。この中には意味づけが曖昧なもの(負の限定)も含みますので、19種類以下
になります。ただし、駒の利きの有無による分類ですので、具体的な表現としては
数えきれないくらいあると思います。
飛角香の離し打ちには合駒がつきものです。個人的には合駒はあまり好きではなく、
結果的に作図は苦手です。合駒が絡まない限定打が多くなったこともある程度は
必然的です。合駒については別途、正面から取り組みたいと思っていますが、単に難解性の
増加目的は好きにはなれません。本集も飛角香が中心ですが、全般に難解性は少ないと
思っています。
以遠打ちも作品次第では問題にならない場合もありますが、本集ではテーマ上無理に
駒を配置して限定化しています。あまり良い方法とは思えませんが、作品集の統一の
ためです。跳び道具は紛れと同時に余詰も生みます。本集は40%弱の既発表作を含み
ますが再検討で複数作に余詰が見つかり修正しました。見つけたのは、励棋・脊尾詰ですが
大駒の追廻しの検討は人間よりはるかに強力な力を発揮します。本テーマではより
威力を発揮してもらいました。
その他多くの協力を頂いた方に感謝します。