「玉座の舞」はじめに
 
 手順条件作はある面では地味なテーマです。不動玉と言っても条件とさえ思わない
人が多いのでは無いかと思います。
 本集ではこの条件に、駒の全格配置を加える事で成立しています。
 結果的に詰め上がりも、全格配置になります。
 本作品集は、第五集「弧王の舞」の姉妹作です。なぜならば、第五集が
「玉方の応手が全て玉」、本集は「全て玉以外」からスタートしています。
第五集は結果的に無防備玉作品集になりました。合駒という応手が加わりました。
はじめは玉の軌跡から「円弧の舞」「振子の舞」を考え、最後に「孤独玉の舞」を
考えました。そのころには本集の題名が決まっており、第五集は双方から取って
「弧王の舞」としました。私の造語です。
 一方、不動玉には「舞シリーズ」のどれかに全格配置をのアドバイスが有り、
不動玉の全格配置の構想を早くから決めていました。同時に「玉座の舞」の題名も。
動かない玉、玉の位置に意味がある事を暗示する題名で気に入っています。
 
 ところで、旧未発表作の改造で作ってきた連作ですが、初めて逆算に取り組む事に
なりました。そして改造では困難と思いました。
最終的には正算の作図も含まれましたが、ほとんどが逆算で自分自身の創作方法の勉強
にもなりました。ただ、やはり正算の方が合っているように感じました。特に不動玉は
盤の周辺2筋が難しいです。入玉は類似の収束が避けられずつらい条件です。
 
 玉の配置順は見れば分かりますが末尾にまとめました。不成・合駒は全種類入って
いますが、入玉形では銀桂香の不成が多発すること、手順をのばす逆算で合駒が多発する
ことは予定外でした。作ってみないと分かり難い事です。
 不動玉はかなり制約になります、結果的に収束限定のためだけの駒、収束変化長が
いくつかみられます。私の限界ともいえます。
 他には、同種四枚持駒、限定打、香先香歩、飛先飛金なども入りました。複数条件は
私の好みでもあります。
 
 検討には脊尾詰を利用しましたが、短手数で手順前後の発生しやすい不動玉では、
人間の検討の方が重要の様です。見逃しがあるかも知れませんがご教示をお願いします。
 その他多くの協力を頂いた方に感謝します。
 なお本条件作シリーズは十集を区切りの目標にしており、まだまだ無数に条件は
有りますがそこで一時中断の予定です。
 
 
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