「小駒の舞」はじめに
詰将棋をはじめて30年以上、ようやく目標の作品集の完成にいたりました。
構想10年以上、何か特徴のあるものを、を目標にしてきましたが、第1集は小駒図式
100番です。ほとんどの人が、代表作集である事に反して未発表の作品を中心にする
ことも、構想のひとつです。個人の希望としては複数の作品集を作りたい希望を持って
います。
現在は大駒の時代で長編をのぞけば小駒図式は少ない状況です。特に難解作・構想作
全盛のため、手筋作と条件作を中心に作図している私は時代と逆行しています。
しかし、私は現在の状況をすべて肯定している訳ではありません。
小駒図式は作る方も、解答するほうも楽しむ作品で難解作とは一線を引きます。
本作品集は、これにもう一つの条件を加えたものが多く作者のこだわりとなっています。
しかし小駒図式の持つ特徴を消す意味もあり、短手数の易しい作品や捌きの作品を加え
無理に範囲を広げています。
詰将棋を作り始めた時、影響を受けたのは村山隆治氏の「詰将棋教室」で、金銀図式
(金持図式)や、行きつまりを感じた時に清貧小駒図式(鶯図式)を作りはじめました。
小駒図式はかなり遅く作り初めています。何よりもまとまった研究がなく、自分に向いて
いることさえ気づかなかったのですから。篠原のぼる氏の歴史を中心にした研究は、
私の知る唯一のもので、特徴や静かな発展の流れは私に作図意欲を持たせるものでした。
最近になってようやく、自分なりに理解してきた感じがします。本作品集は少し違う
かなとの思いも有りますが、それなりに工夫をこらしたものです。初めての小駒百番と
思いますが、絶後とは思いません。何よりも私自身が続編をの意欲があるのですから。
本作品集には、色々な欠点があります。自陣成駒・歩以外の成駒・変化長手数駒余り・
変化同手数などです。それに見合った評価がされるのは承知しています。
また作図後、三から五年たつため、偶然採用しなかった作品から、他の人が類似作を
発表しています。未発表作品集作成の欠点ともいえます。
現在、自由な時間が少ない生活ですが、次の作品集の準備を行っています。また、
第二集を発行できればと目標にしています。
作品は個人で作りますが、作品集は沢山の人の協力ではじめてできます。協力いただ
けた多くの人に深く感謝します。