「積木の舞」はじめに
 
 「初形の盤面」または、「詰め上がり」の駒の配置が字や模様になっている作品を、
一般に曲詰と呼びます。これもひとつの条件作といえます。
 特に詰め上がりが字や模様になる作品は、「あぶりだし」と呼ばれ多くの作品が
作られています。
 本作品集は、主に短編作の「初形盤面が対称形等の模様」になっている作品集です。
 「あぶりだし」作品は収束からの逆算を中心に作られ、「初形の盤面模様詰」は
形からの正算を中心に作られるとされています。
 これに反して通常の詰将棋は、手順の狙い等を出発点にして作る事が多く、順算等と
呼ばれる事があります。どの作り方も単独ではなく、複数の手法の組み合わせで作る事が
多いと思います。
 「初形盤面が対称形等の模様」作は、本来は正算を中心に作るものと思います。しかし、
私は作風から、通常の手筋作の中でこの条件に改造できそうな作品・素材を選び、形と
手順を変えて行く方法で作る事にしました。
 「初形盤面が対称形等の模様」作は、字形や一目でわかる模様が主体ですが、形から
出発していないため、かなり変則的な模様が主体となりました。具体的には、斜め対称形
・点対称形等です。また、駒の種類を含めた対称形はほとんど無く駒の配置のみの対称が
ほとんどです。中央対称も非常に少なくなっています。これらは特長では無く特徴です。
 手順的には特別な物は有りませんが、6種類の不成と7種類の合駒はどこかに入って
います。いつものことですが、最後に残るのは香でした。
 私にとっては得意ではない条件ですが、初形・あぶりだし(詰め上がり)の模様詰めを
得意にしている人も多く、これらの作品や意見を参考にさせていただきました。実際に
手順や形を変更した作品も複数あります。また、2次検討には励棋・脊尾詰の力を
全面的に活用させていただいています。いつもながら、色々な人に感謝します。
 
         
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