元技術者日記「日本工業規格」
多くの産業生産品には、「日本工業規格」があります。また同業団体で制作した「民間規格」があります。
製品の注文生産には、規格との取り交わしが必要です。通常は上記の規約に含まれる事はそれは最低の機能として存在する事と します。日本の場合はまだこの規格制定が遅れていて、国際競争の激しい分野では制定や必要な機能への改訂が間に合わない事が普通に 起きます。
従って上記規格以上の機能が必要な時(普通に生じます)や製品区分とうで該当規格があいまいな場合は、規格書の取り交わしを 行います。
内容的に簡単な製品の場合は、製品図面に規格も含めて書く事も多くあります。その場合でも、記入外は規格なしではなく上記 規格が有る時はそれが適応されます。日本の場合は上記の規格は購入者の要求に対応出来ていないと同時に、制定に関わる人や機関が 主に製造側に偏っている事が多く、本当の実力を反映させていない事が多いです。(2009/02/05)
元技術者日記「米国標準協会規格」
「米国標準協会規格」といってもピンとこないかも知れませんが、通称は「ANSI」です。
「日本工業規格」の次は国際規格「IPC」を考えます。確かに、制定の時間的には「ANSI」と日本国内規格の間くらいです。しかし 分野にもよりますが、技術革新が早い分野では、日本の規格は「遅い」と「内容が不充分という」問題があります。
「IPC」が最低限の内容です。しかし、最先端分野では「ANSI」が中心になります。民生用途では「NASA」規格までは通常は 行きません。
日本の規格は関係メーカーが集まり作製する事が多いです。いわば製造側の規格です。それに対して「ANSI」は制定者を見ると、 例えば電子関係の材料とすると、材料メーカー・材料加工メーカー・部品製造メーカー・最終製品製造(部品使用)メーカーが全て参加 しています。
そこで決まる規格は、どこに有利でも無く、オーバースペックでコストアップにもならず、余裕を見過ぎて最終製品・部品等の 製造が出来ない無意味なスペックでもない言わば、その時点で互いに供給・需要可能な内容に集約しています。(2009/02/15)
元技術者日記「製品設計者は部品製法を知らない」
最終製品メーカーの設計図が基本になり、それが各部門に配布されて個別担当の設計図が作られます。
そして多くは部品に分離されて、発注になります。部品メーカーはいわゆるエンドユーザーから注文を受ける場合もあります。 もうひとつのケースが受注した部品メーカーがその部品の設計を行い必要な部品を発注するケースです。
だんだんと細分化された部品になってゆきますが、部品メーカーというのはどこの段階から注文がでるかは分かりません。そして 途中に複数の設計が入るほどに本当に必要な仕様と最初の設計図から意味不明のままで引き継いで来た仕様が混ざります。
最終製品でも部品でも、仕様は必要十分なものがベストです。オーバースペックはコストアップや不良によるデリバリ(納期)の 未達を引き起こします。アンダースペックは当然、必要仕様が確保出来ない事があります。
部品メーカーとその発注者との間の仕様と納期とコストのトラブルは、一番多いのは意味不明の仕様が部品仕様にまで残る事が 原因です。(2009/02/25)