顧客関連企業サポート
顧客サポートとは、製品というものは顧客が使いこなしてはじめて意味がある事の認識から始まります。 しかし、納入する製品・部品がその顧客でどのような位置ずけであるかで状況が変わります。 納入する製品・部品を詳しく知っている場合は全く問題ありません。 しかし、これらと他の納入企業との製品とを組み合わせて使用する場合で互いの機能条件に詳しく無いときは 非常にややこしくなります。 このときに互いが判っている時は、納入企業間で技術打ち合わせを行い、正しい必要機能を調整する事は大変に重要です。
実例1:嵌め合い部品の適合の例
二つ以上の製品を接続する事は増加しています。その仕様として嵌め合い規格が部品には存在します。
ただし、これは難しい問題です。なぜならば一部に機能無視のコストダウンを目指して「易かろう悪かろう」の製造を行っている所が存在します。
最終組み立て納入先は総合で、高機能で低コストを望んでいますが、ボトルネックになる低機能部品が存在すると他の部品の機能に関わらず、最終製品の機能が落ちるからです。
部品メーカーには、絶えず継続的な品質向上とコストダウンの要請があります。
しかし、ボトルネックの存在の元では他の部品メーカーは過剰品質を要求され・あるいは不明確な不安定な規格を要求されて全く対応出来ないという事態に陥ります。
ある程度、経験のある、あるいは事情に詳しいメーカーは複数の納入先どうしでの規格調整を指向します。
一番多いのが「嵌め合い仕様」の調整です。そしてそれは複雑な要素を含み技術窓口・営業一体で取り組む事になります。(2010/05/02)
実例2:モジュール化の途中行程時の例
二つ以上の製品を接続して最終納入するモジュール的な製品は多くあります。
最終顧客は、途中の管理を部品メーカーに要求します。
時間的にも、機能保証的にも、品質的にも、数量管理的にもメリットは多いです。
ただし当然ながら、対応側は負担が増えます。そして、複数部品メーカーが絡む時は複雑です。
量産実績のない時に、量産時の負荷を考慮してどこがどのような内容を担当するかを決める必要があります。
これは、部品単体の量産の作りこみよりも遙かに難しい事です。
複数メーカーが絡む時は、概ね後半を担当する部品メーカーの負荷が増加します。
他の企業の製造能力を事前に判断する事は困難ですが、余裕を見て見積もって受注出来る程に製造業は楽ではありません。
量産試作時にどれだけの調整が出来るかは、窓口技術の大きな課題です。(2010/06/01)
実例3:顧客での作業改善のサポート例
部品を納入すると、顧客で何等かの方法で組み込みを行います。
この何等かの方法が、顧客にとって非常に負担になっている場合があります。
例えば、個別電気部品をロール状やトレーで納入する場合があります。
部品を何かと、シート状にしたり、強度のある板に搭載して納入する方法もあります。
部品の組み込み作業性を向上させて、その後で不要品を容易に取り除く設計です。
当然、部品と組み込み作業のトータルのコスト計算が必要になります。
どの様な納入形態が可能か、コストはどうか等は、顧客側では判断が出来ません。
双方の設計担当者の詳細な打ち合わせがあって、初めて効果のある設計になります。
このサポートも窓口としてか、設計担当としてかで対応する事になります。(2010/07/01)
実例4:部品の顧客設計サポート
部品の事を顧客が知らないというと不思議に思う人がいると思います。
しかし、発注者の担当の知識と、製造側の知識とは異なります。
製造側は最終使用形態の知識が不足しています。
ただし、類似部品を多く見てくると予想や類推が可能です。
その場合に、顧客設計の疑問点や不備や矛盾に気づく事もあります。
指摘等は通常は出来ませんが、設計内容の確認という事は可能です。
この中の多くは、顧客の設計担当の見落としか軽視の事が多いです。
その時のいくつかは、質問やアドバイスの要望として戻って来ます。
それに参加する事により顧客設計サポートになります。(2010/08/10)
実例5:部品の顧客の外注会社サポート
顧客がその製造工程の一部を外注している場合は、製品の納入先がその外注先の事もあります。
外注先の立地によっては、顧客から離れている事もあります。
距離が離れていると、管理やサポートも同様にどうしても離れがちです。
仕方がない部分も多いですが、製造側の営業や現地法人が近くにある事もあります。
また、その外注先の担当者が、製造会社の管理も合わせて行う事も多いです。
顧客側から見れば、部品と外注先の作業を終えたものが、ひとつの部品として扱う格好です。
部品製造としては、次の外注の都合は顧客を通して仕様にして対応が本来です。
ただし、わずかな変更や要望には、双方を含めた顧客対応者の一存で変更・対応する事も多いです。
通常は、部品製造会社は複数でその発注比率はその担当者の影響が大きいことがあります。(2012/08/01)