元技術者日記「内部規格標準化はオーバースペック化?」
企業等は多能化をはかるために「内部規格」を作って「作業の標準化」を目指します。これは管理者や経営者の立場からは当然ですが 実のある運用は非常に困難です。
設計作業は標準化が難しいです。1品ごとに微妙に最適化する必要があります。ところが理由を理解していない標準を適応させる とオーバースペックになってしまいます。
もしそうでないならば、「内部規格」が古いか欠陥がある事になります。「規格が古い」事はメンテナンスがされていないとしばしば 生じます。しかもメンテナンスは簡単ではない事と改訂時には、将来的を考えて厳しく設定します。
簡単にいうと、技術進歩がある程度早い分野では「内部規格」が実用で最適な時は短いのです。
もし無理に「作業の標準化」を目指すと製品安全を考慮してオーバースペックにする事になります。それを元に理解力が劣る担当が 設計すると製品自体が必要な仕様と不要な仕様が混ざって製造が難しくなり、コストアップという副作用を起こします。そして本当に 必要な仕様が見逃されがちになる危険があります。(2009/03/07)
元技術者日記「現場は多専門技術者部隊」
技術者と言っても、現在では狭い範囲の専門家と、ある程度広い範囲をカバーしてまとめる分野の専門家とでなっています。
企業等でも、基礎研究レベルでは前者も居ますが、それより製造現場に近づくと後者を中心にした多専門技術者部隊となります。 それは人員の効率化と社内固有技術の開発と、そして決定的なのは製品開発には幅広い分野の技術が必要な事です。
もしそのバランスがとれていなければ、技術レベルのアウトソーシングや他社・機関との共同開発が必要になります。
いくら製品が狭い分野に特化していても、製造には材料技術・装置技術・設計技術・生産管理技術・品質保証技術等は必要です。 そして製品の開発と販売には、マーケティングや営業や物流技術も必要になります。
これらの幾つかは兼任する事は可能ですが、全部は不可能です。そして、専門分野によって技術者の思考方法は異なります。
どうしても仕事や管理にはその思考方法が反映されます。複雑な変化の時代に対応するには、複数の思考方法での対応が望ましい といえます。実はこの現実は技術部門のワークシェアには大きな制約がある事を示しています。(2009/03/17)
元技術者日記「顧客向けの立場」
企業の部門内の立場や仕組みはそれぞれ異なります。
しかし顧客と対する場合はどのような立場で向かうのかは微妙です。製造部門内の役目・担当に拘ると顧客は大抵は非常に迷惑 です。なぜならば質問や話し合いたい事に答えられる担当かどうかは、顧客は関係がないからです。
勿論、権限のない事を対顧客に約束する事は出来ません。それではどのようにするのかは、担当営業の事前の調査と、部門内上司 との事前打ち合わせが重要です。
一人又は少数で、部門の少なくても技術的な代表になる必要があるのですから、何は回答して何は担当部門から後日に回答するか そして営業を通して回答する内容は何かを事前に打ち合わせておく必要があります。
それは権限的に不可能と思うならば、はっきり言って、所属部門の担当・配置・権限のシステムが顧客の要請を満たしていない 或いは顧客を無視していると言えます。
部門内の立場と、顧客向けの立場?が異なる様に見える事は何も不思議はありません。呼び名などは実は関係なく実際の作業が 実製造作業に重要なのです。(2009/03/27)