元技術者日記「見積もりと経営戦略」
見積もり作業は、技術的に根拠のあるものである必要があります。何故ならば、受注した時はその内容を実現する事が部門全体の 目標となるからです。
この事は色々のシステムを作る時も、外部認証を受ける時でも必ず必要です。
しかし一方では、受注は相手が存在してそことの競合から抜け出して決まる事も事実です。
その決定価格自体は非常に経営戦略的です。
この事は周知の事実であり、見積もり回答価格は部門全体=経営責任者の判断で決定するともされています。
一見矛盾する内容のようですが、前者の見積もりが実現義務のある内容であり、後者の見積もり回答が実現目標であると考えると 矛盾しません。数値の根拠のあるものは、必ず実現しないと事業はなり立ちません。経営戦略は、実績根拠がなくても目標としなければ 事業の発展はありません。(2009/05/06)
元技術者日記「部品受注時の最終製品情報」
多くの企業が標準部品化を模索していますが、技術進歩と製品の個性化から現実には進展しにくい事が多いです。
部品メーカーにも色々な段階が階層状にあり、その部品が組み込まれる最終製品の情報をどこもが入手を望んでいます。
製品受注時には、見込み数量はありますが、顧客の見込みだけではなく受注側でも独自に見込み数量を予測したいと考えます。
これはその製品単独ではなく、もっと広い製品群として販売数が見込める分野の特定とその分野への参入・その分野のリーダー的 最終製品メーカーとの関係等が経営的に重要だからです。
これらは営業や営業企画・マーケティング担当の事ですが、必ずしも充分な情報が入手出来る訳ではありません。
窓口・営業サポートの技術者は、顧客や営業と近いのできれぎれに情報が集まる傾向があります。それが意味のあるものにまとまる とは限りませんが営業では分からない技術内容も理解できるならば、情報収集面も大きな比重の業務といえます。(2009/05/16)
元技術者日記「顧客製品名・製品コード・内部管理コード」
デジタル化だけの理由ではないですが、受注生産品には「顧客製品名」以外のも、複数のコードや内部製品名を割り当てます。
通常は「製品コード」「内部管理コード」とかがそれに当たります。
これは生産方法や材料や生産技術等の内容と関係を持つ事が多いです。勿論、通し番号で上記と関係のないものも有ります。
これらの内部の製品名やコードは、生産管理・製造・設計・営業管理・物流その他で使用します。
適当に付けるのではなく、正しい内容で管理されて振り当てる事が必要で、そして正式に必要な担当部署に連絡します。
適当でない以上は、製品知識や製造・設計・管理等の知識が必要です。そして、設計から始まる新受注品の製造の準備段階でも 使用する為には受注窓口に当たる「営業対応窓口の技術担当」が、内部コードその他の振り分けの担当になります。
この作業はルーチン的な部分と高度な技術分野と、管理手法が混ざっています。結果として非常に重要な作業になります。(2009/05/26)