元技術者日記「単位系の確認」
日本の学校等では、単位系は「MKSA」あるいは「SI」と学びます。しかし、まだ全てが移行されておらず異なる単位系も 残っています。
一番多いのは「ヤード・ポンド」系です。実際は「インチ」の使用です。
世の中には「換算表」が存在します。ただし、きっちりした場合ばかりでなく近似値も多いです。インチとミリメートルとも近似値です。
その近似が問題かどうかは、ケースバイケースです。思い込みは避ける必要があります。わずかな誤差も累積すれば無視出来ません。
具体的には、1ミリメートルと0.04インチとの誤差はわずかです。しかしコネクター類などで累積すると、使用できません。
図面の数値と、注記のコネクターはめあい規格のコネクター指定では後者が優先します。そのときは、コネクター規格を入手して はめあいを考慮して設計します。 (2009/08/05)
元技術者日記「図面・仕様書のテンプレート」
図面を書く技術者は、ゼロから製作する事はほとんどありません。
基本的な標準(テンプレート)が企業や部門等で準備されています。
何でも最初はゼロから始めますが、2回目からは下敷きにするものはあります。
そして、それを標準化する事で複数の製作者が同じレベルの図面等を書く事を目指します。
良さそうな言葉では、「知識の共用」「仕様の標準化」「技術の継承」とか言います。
悪くいえば、「能力がなくても見た目はあるレベルに見えるものが製作できる」「要不要が分からなければ、書いておく」等。
この方法でかつ内容の理解が不足した人の書いた図面を、扱う受注側はかなり悲惨です。
必要な事がぼやかされていて、不要な事が強調されている仕様は製品イメージを誤らせます。
これは製品品質を落とし、コストを上げます。
そして将来の進展も阻害します。
窓口営業は、気づきますが、発注側に対応・修正の意志がなければ改善できない宿命でもあります。 (2009/08/15)
元技術者日記「設計費用」
部品が既製品でない場合は、個別発注になります。
個別発注には、図面と仕様書が必要になります。仕様書は類似品が過去にあるときは、総括仕様書として運用できます。
図面は、毎回作製が必要です。出発が構想図であったり、決戦図であったり、部品図であったりします。
部品図まで出来ておれば、これに仕様書の内容を加えて、製造出来るように製品・製造設計するのは部品製造メーカー設計の仕事です。
それではそれ以前の図面の時は、どの様に対応するのでしょう。
類似部品の使用経験のある発注者であれば、発注側で製作します。
あるいは設計を行う他のメーカーに図面作製を発注します。
その理由はいろいろ有りますが、内部に技術力を持つこと・ノウハウ等を製造メーカーに出さないこと、そして製造メーカーが通常は 対応出来ない事があります。
ただ世の中は広く、部品製造メーカーに基礎設計から依頼する発注者も存在します。それが個人レベルか、企業レベルかは判りにくい のですが・・・。
ただ、この時に困るのが設計費用の問題です。最悪は、発注者・担当営業共に設計費用と設計完成図の所有者を明確に理解していない 場合です。
設計費用ももらえず、設計完成図の提出と所有権を要求されても応じる事は原則は出来ません。これにかかる費用は多くの場合は多額で あり、内部の決済は複雑かつ認められないのが普通だからです。
内部・外部ともに事前に内容を明確にしてから対応しなければならず、その対応は窓口の役目でもあります。 (2009/08/25)