元技術者日記「デジタルデータ」
キャド化が進んでいるのは、ほとんど全ての製造業です。
それが図面作成であっても、結線図であっても、機械構造図であっても、電気回路図であっても同様です。
勿論プリントアウトという手段はありますが、デジタルデータの支給・改良・承認という方法は標準になってきています。
同じデータを複数回製作する不効率・費用の無駄・ミスの発生の可能性・承認又は確認の時間短縮などが改善出来ます。
ただ部品メーカーが、支給データを利用する為には色々なフォーマットで記録されたデータを読み込める必要があります。
承認・確認時は当然、その逆の作業になります。簡単にいえば部品メーカーは、デジタルデータの色々なフォーマットを扱える 技術力が必要ですし、不明な時は調整作業が必要です。
調整やデータの受け渡しの確認は何処が行うかは、営業サポート技術が担当になります。
実際にデータ自体の読みと出力作業は、各担当部門になります。 (2009/11/03)
元技術者日記「トレーサビリティ」
「言った」「言わない」の議論という低いレベルは論外としても、記録や過去の履歴を全て残す事は重要です。
基本的に担当部署が、自身の担当部分の履歴を残してゆきます。
それを全体の統合担当が、保管内容・期間・責任者等を決めて統一してゆきます。
始まりは営業活動からで、そこから製造等にインプットされて始まります。そこの始めであり、詳細にタッチするのが窓口です。
企業や部門で構成は異なりますが、対営業窓口にあたる所が含まれる部署は、窓口が履歴管理を行うのが有効です。
履歴は、外部からのインプットで始まり、外部とのやりとりが特に重要になります。内部での履歴管理は色々な部署が行う設定は 可能ですが、外部との最初の繋がりが間接的では不十分です。
製造業では、製造部を中心に複数のサポート部署が設置されています。受注生産品の場合はその中で製造部に新製品を移行する以前 の事を行う担当を1部署でまとめることは有効です。
そして、その部署に対営業窓口が存在して履歴管理を行います。 (2009/11/13)
元技術者日記「内部情報・公開情報」
情報には、社外秘・部外秘があります。逆に、外部に積極的または必要に応じて公開して行く情報があります。
一番大切なのは、知的所有権が絡む情報です。この取り扱いは、1:特許請求、2:ノウハウ蓄積、3:公開に別れます。
通常は3:は考えにくいですが、いわゆる規格争いがらみでは一部は公開される事もあります。
1:と2:は、研究・開発と経営者との判断になります。
問題は、情報は社外秘・部外秘で部門等内で利用される必要がありますが、外部に出ない様に管理する必要があることです。
基本的には、内部でも必要最小限の情報公開とします。そして、内部・外部ともに情報管理の接点になるのが営業サポート技術担当です。
もう一つ大切な事は、一度情報を公開すると知的所有権にはならない事です。発明者が同一でも、知的所有権申請前に何かの形で公開 すれば、既知の事実となります。
新製品開発、その部品開発で文章での取り決めを行うケースは多くはないですが、図面・仕様書での見積もり・受発注にはお互いに 守秘義務が発生します。
営業等が取り引き開始の手続きをする中にそのような守秘内容が含まれる事も理由となりますが、メーカーとしての信用を獲得する 上でも重要です。(2009/11/23)