元技術者日記「工場監査」
顧客による工場監査は、今は常識になっています。見積もり依頼前にある場合もあります。
新製品受注後や、継続受注生産時に定期的監査があります。この場合は担当者を予め決めておく事が効率的です。
何が必要で何が不要か、何が公表で何が公表は不可かは、部門全体の方針で決めておく必要があります。
工場監査は、発注側も担当者のみから複数のメンバーまで色々なケースがあります。
各々の発注先の事情や、方針がありますし、過去の受注実績に依っても異なります。
これの担当は、監査内容によって異なりますが、多いのは品質保証関係と製造関係が対応する場合。技術と営業窓口が対応する 場合があります。
窓口技術が担当する場合は通常はありませんが、全く無関係ではなく一部を協力するのは普通の事です。
ただし、新製品の量産試作から製品認定の作業に関する場合は、メインに担当する場合もあります。 (2009/12/03)
元技術者日記「UL規格」
難燃性規格は各国の工業規格にも含まれますが、一番要求が多いのがアメリカの民間規格の「UL規格」です。
難燃性とは微妙な言葉ですが、自己消火性のような概念です。燃えにくい>燃えても広がらないです。
試験方法は複数定められていて、サンプル作製・試験・評価と規格取得には時間と費用が必要です。
そして取得後もメンテナンスが要求されます。事前連絡なしの立ち入り検査が実施されます。
該当製品には、製造者と規格を表す記号を表示する必要があります。
費用も時間も必要な規格取得を行うのは、ユーザーの要請があるからで取得の有無が影響が大きい分野が沢山あります。
窓口技術は見積もり・試作段階からユーザーの要請に従い材料構成を決めて対応が必要です。
量産受注時にも、担当部署に材料構成とともに「UL規格」の必要かどうかを連絡する事も窓口技術の担当です。それは「UL規格」 の知識がある事が必須になります。(2009/12/13)
元技術者日記「積層板の厚み規格」
フィルム・箔・板等には厚み規格が必要ですし、存在します。
電子・電気材料に多く使用される積層板の規格は、製造者から見れば優秀な規格です。電子技術者には、単独素子抵抗の規格と 同様といえば判りやすいです。
基準厚みが決められ、次にそれに対するバラツキ・公差が決まられます。
厚み精度により、級分けされます。あたかも基準厚みに対する正規分布のように・・。
実際は、公差のどこに厚み中心があるかは別問題です。バラツキの大きいものでも該当する規格が作られています。
簡単に言えば、製造したものはいずれかの規格に入るようになっています。
そこでは、規格上の基準厚さと実際の製品の中心厚さは異なる事が多いです。
この様な材料を使用する場合は、あらかじめ実際の製品で実測して確認が必要です。可能ならばデータ付きの納入が好ましいです。 (2009/12/23)