元技術者日記「新技術開発」
製造部署での「新技術開発」という言葉は、全社経営者や間接部門での使い方が異なります。
一般的とも異なるので、企業・部署で使い方は異なる可能性が高いです。
ただし、「IPC-9000」等の規格を製造部署で作ると「開発」「設計」等の言葉の定義が一般と同じでは困ります。
製造部門の「開発」は、非ルーチン作業であり、過去に参考になる例がない事全てが対象になります。
材料・工程・ツール等で、過去に参考になる例がない事場合は、新技術扱いになります。
自社・自部署で積極的に新技術導入する場合もありますが、受注製品に新しい項目がある場合は、それも新技術開発品になります。
「新技術開発」対象品は原則として見積もり段階で判明します。
従って、対象品と判明した段階で、非ルーチン作業でのいわゆる開発担当者を加えて対応を決める必要があります。
試作・量産試作の段階で、製造ルーチン化をクリアしている必要があります。
製品・部署によって異なりますが、量産移行後も一定の時間・製造量の間は定期的に観察を行います。
細部の新という事の定義は差があるでしょうが、必ず生じる事です。(2010/10/09)
元技術者日記「1回のみの生産」
設計作業の定義は難しいです。
自社で、製品の企画からはじめて全て決まる場合はその過程は全て「設計」です。
それでは、図面を支給してもらってそれに基づき生産する場合はどうでしょうか。
システム化されており、製造ラインで全て行う時はいかなる形でも「設計」的な作業はありません。
それでは、製造工程を組み替えて対応する場合はどうでしょうか。
あるいは、製造用の治工具を作る場合はどうでしょうか。
そして、過去の生産物の経験から上記2つともに対応する時はどうでしょうか。
製造部署では、これらは内部的には設計といい、対応部署があります。
ただ、外部の図面という絶対的なものが存在しています。
自由に変更出来る部分は原則的にありません。
微妙ですが、「1回のみの生産」と見る考えもあります。(2010/10/19)
元技術者日記「設計承認」
受注時に何を技術資料として提供されるかは大きな問題です。
最近は、キャドデータが主流になりつつあります。
図面も、顧客がキャドで制作したものを電子メール等で支給されます。
間違い防止で、印刷した図面を後で遅れて送付する事は行います。
データそのまま、制作という事は現実的にほとんどありません。
基本は、図面又はデータ通りであっても、何等かの変更・製造オプションの追加はあります。
たとえ何もなくても、設計承認の形で図面・データ等の生産前承認は普通です。
ただ顧客によっては、全てを確認できないので、承認は無理とする事もあります。
実際はそうですので、支給データ等に原則基づかない変更は不可ですし、単に確認レベルです。
図面・データから離脱した事は、正式な書類での変更依頼が必要です。
設計承認は、細部ではなく全体のイメージの確認レベルに留まります。(2010/10/29)