元技術者日記「メンテナンス設計」
製造用の治工具・金型・その他色々のものは、補修や定期メンテナンスが必要です。
汎用部品は、一定量のメンテナンス部品を保有します。
しかし、個別部品用となるとコストの問題が絡みます。
これらのメンテナンスに関しては、設計時に考慮する事が必要です。
例えば、金型に研磨の摩耗チェック用の目安を加えるとかします。
フォト工程では、フォトマスクの使用頻度を決めておき、適時に更新します。
印刷スクリーンや、オープンショートチェッカーも似た考えで設計します。
勿論、材質も考慮します。メタルスクリーンと、メッシュスクリーンでは取り扱いが異なります。
後で追加するという無駄を省く事は、設計部門のノウハウの積み重ねであります。
それを文書化・マニュアル化するのが必要で、部署の管理項目にもなります。(2011/05/09)
元技術者日記「専用治工具・保管期間」
製造用の治工具のうちで、機種専用は製造が終わると廃棄になります。
ただし、実は微妙で補修用の部費の注文が、かなり後で入る事があります。
なかなか、これは断れません。
対応としては、保管費用と新作費用とを比較して、対応を決める事になります。基本は治工具も需要家に渡す事です。
ただし、一番現実的なのは、ソフトツール製造です。
精度の必要部分以外は、量産治工具を使わずに生産します。
勿論、需要者の了承が必要ですが、治工具の管理が難しい事を理解している所はスムーズにまとまります。
多くの部品があれば、似た状況が多数社の間で起きていますから、一番対応が早くなります。
メンテナンス部品の保有・生産対応は、実に大変な事ですが、日本ではほとんど評価されていません。
アメリカのベンチャー企業では数年で、買収で会社自体が無くなるので、元々その思想もありません。(2011/05/19)
元技術者日記「製造装置の変更」
製造条件の変更は、需要家の承認が必要です。
ただし、製造工程は生き物ですから絶えず一定という事はありません。
製造条件変更の定義は難しいです。
商品の機能に重大な変更を及ぼす事を指しますが、具体的な事は個別に変わります。
作業者や、同一装置の複数台使用時の装置番号等は、製造者の責任で管理するのが常識です。
ただし、製造側が知らされていない機能については、確認出来ません。
従って、事前に需要家の承認を得る事が無難というか必須です。
ただ、承認という方式は責任が需要家に行きますので不可になりやすいです。
従って、事前連絡+製造者責任という形が現実です。
装置や種々のツールは、基本は消耗品ですので、変更・更新は必要ですので手続きと責任の問題になります。(2011/05/29)