元技術者日記「頭脳輸出・輸入」
製造・開発・研究・経営・営業・・どれも人間の占める割合は大きいです。
人柄とか曖昧な表現ではなく、業界では頭脳的な使用・表現をします。
頭脳と言っても、行動や技能も全て含みます。
しかし、多くの部分がコンピュータ化・デジタル化されてくると、ノウハウやアルゴリズムが注目されます。
これらを、頭脳という言葉で表して、頭脳輸出とか頭脳輸入とかいいます。
物ではなく、頭脳的なものの場合は輸出という概念が微妙に異なります。
海外企業の日本支社への、入社は実質的は頭脳輸出に相当します。
日本企業が海外で、雇用する場合も類似です。
従って、輸出管理令の項目に技術が入っています。
会社や勤務先ではなく、国籍で分けられています。(2012/01/04)
元技術者日記「社内技術報」
一時、企業が社内の技術報を多く出していた時期があります。
目的は、社外への広告的なアピールと、社内の技術共用と、研究者のモチベーション等です。
しかし、特許上は出願してからの研究か、特許にならない基本研究か、特許を出さないものに限られます。
社内報の内容も公知事実になるのが、日本の特許法です。
トップは直ぐに特許を出せというが、なかなか大きな内容ほどなかなか直ぐに出ないものです。
そして、技術報の内容に未提出の特許性が残っているかは、当事者でもうっかり見落とす事があります。
その結果、技術報の内容は次第に、無難というか広告的になってしまいます。
製品化商品は、各種展示会へ出しますからその前の技術が望ましいのですが、リスクがあるというジレンマです。
結局は、展示会のパンフレットの詳細冊子が、技術報になってしまう傾向です。
特に不況の時は、基本技術開発の比重が少なくなるのでより傾向は悪くなります。(2012/01/14)
元技術者日記「承認図面提出」
設計や技術担当の仕事の一つに、顧客への承認図面の提出があります。
提供・借用した概略設計図から、設計した製品の詳細図面を作成します。
昔は手書きで、専用紙に細い鉛筆でかなりの時間をかけて書くという技能者が必要でした。
現在は、キャドかされており、設計に使用したコンピュータデータを転用して、図面制作用のキャドソフトで書きます。
図面枠や、決まった注記は部品化されており、作業もマニュアル化されています。
図面は、制作者名・チェック者名・承認責任者名等を書きます。
日本では、捺印が多いですが、欧米ではサインで対応します。
日本用は、人名まで記入して横に捺印欄を開けておきますが、欧米用は人名欄を空けておいて手書きサインします。
図面は、作成規格がありますのでそれに準拠しますが、日本と国外とは異なる規格です。
国際規格もありますが、顧客によって採用度は異なりますし、実体公差や単位の差があることも多いです。(2012/01/24)