元技術者日記「ポカよけ設計」
人間は簡単なミス=ポカをする事は知られています。
それを防ぐ工夫が、通称「ポカよけ」です。
目で見て判断は、他に方法がないときのやむを得ぬ場合です。
設備と治具・工具類に、機械的な障害を設ける事で、対策します。
間違った作業・ポカ作業では、作業自体に不具合が出る様にする事です。
これは、製品設計や工程設計時に、通常工程の中に埋め込む事が理想であり、現実的です。
わざわざ、追加工程を入れない事がコストを考えても、必要要件です。
品質管理ですから、コストより優先の考えもありますが、同時に達成する設計が多くは可能です。
ポカよけの難しさは、設計者は多くは熟練者で、作業者にはバラツキがあることです。
基本は最低ラインの作業者に合わせる事ですが、コストに影響する場合は難しい判断となります。(2012/10/10)
元技術者日記「ダブル・チェック」
人間は間違い、機械は故障する。
自動的に100%を達成は出来ないです。
ただし、それに近づける努力と技術進歩は大切です。
それでも、検査は必要ですし、いくつかは目視に近い作業です。
そして、作業者の個性というかくせというか、個人差が出る事もあります。
非常に重要なとき、検査結果のバラツキが目標に達しない時、品質が設定より悪い時は対策が必要です。
その中で一番シンプルなのが、人海戦術ともいえる、ダブル・チェックです。
同じ検査を、異なる人が、複数回行う事です。
実に効率が悪いが、独立性を確保出来れば、確実に精度はあがります。
チェック方式を変えた、ダブル・チェックはより改良形として絶えず検討されています。(2012/10/20)
元技術者日記「顧客の設計ミス」
オーダーメイドの受注は、通常は図面で行います。
キャドの発達・普及で、データ支給も増えました。
ただし、図面に寸法や公差を記入したり、注を加えます。
その中で、いくつかは個々の部品で個別の内容になります。
それは、基本は人間が関与する作業ですから、必ずミスを伴います。
特に、途中で変更が入った時には注意が必要です。
なぜならば、顧客側のチェックが甘くなっている可能性があります。
受注側でチェック出来る内容は、図面内容の矛盾・用途的な一般常識との差の有無があります。
そして、部品の使用方法を加味した嵌め合いや、単位系の変換ミス等もあります。
部品設計者は単純に、支給図面通りに作れば完璧だとは言えません。(2012/10/30)