「量産試作の管理」
量産試作の位置ずけは、定まっていない。
試作と量産の間に行うが、別々なのかどうかはそれぞれで違う。
試作で量を増やすというのは、緊急避難で製造業側には意味がない。
ただし、量産の納期や顧客都合でやむを得ず行う可能性はある。
本当は量産で対応したいのだが、製造経験のないリスク品の対応が可能かどうかだ。
設計が用意した、治工具や製造工程や種々が正しく製造出来るかどうかは確認されていない。
結果として作られたとしても品質保証は疑問だ。
トラブルリスクは高いが、原因・対策の責任と即時対応体制が必要だ。
そもそも設計者は、確認せずに量産移行は出来ないが、量産工程で確認が必要だ。
そこで、設計が管理・確認・トラブル対策を行うが、作業は量産部署が出来る。
(2015/12/04)
「量産試作品の設計思想」
量産試作は、基本的に量産設計だ。
新規量産品には、いくつかリスクがある、外的には要求仕様の向上だ。
内的には、製造工程と設備の改良と新規導入による技術向上と製造能力アップとコストダウンだ。
基本は、技術部門で検討済みだし、試作部門で検討済みだ。
ただプロ集団と、多様な人が集まる(含む外注)量産製造部門では、再現性は未定だ。
そこを繋ぐのが、量産試作なので、設計は技術と試作の結果を反映し、量産仕様にする。
たとえば、特定の工程に負荷がかかり過ぎると量産で遅延が起きる。
これは、独自の問題で数が増えないと顕著にならない、だが事前対策が必要だ。
量産では、実作業時間と段取り時間とを双方考える必要がある。
製造量によってその比率は変わる、段取り時間はほぼ一定だが作業時間は生産量に比例するからだ。
(2015/12/14)
「量産試作品の協同作業は重要」
量産試作は量産可否の確認と、設計やツールの問題の洗い出しでもある。
設計と量産試作チームが確認しながら進める事にはなる。
ただし量産設備で行う工程の殆どは、量産作業員が行う。
この協同作業は、次の量産への移行上で重要だ。
書類だけではなく、実製品と実作業を双方で行う事で問題点も改良点も判る。
同時に新製品の知識と、新生産技術の習得機会になる。
設計と製造の双方にとって、大きな技術進歩の機会となる。
その効果と必要性から、設備と人員配置の構成を考える必要がある。
階層的な段階を踏んで、量産へ進む事はよく言われるがそのノウハウは実務者しか理解出来ていない。
(2015/12/24)