「見積もり内容の量産実現性」
見積もり内容の量産実現性を議論するのは奇妙に見えるだろうが、実際は多い。
ISO等では見積もり通りの量産実現を必須とする。
だが、見積もり時と量産受注時で変更が加わる事は多い。
その影響が大きい時は量産準備中に、設計変更見積もりを行う事になる。
実際の受注に経営判断が大きな比重を占める時は、分離して考える。
見積もりの量産実現は設計の目標となる。
経営判断を含む受注内容の量産実現は、設計を含む全工程の目標となる。
現実の設計部門は、量産生産の商品コストを優先する事が多い。
設計作業コストや、治工具や型などの製作コスト的には受注内容を満たさない事が生じる。
製造数・総額受注金額によって、変わる内容だ。
(2016/11/08)
「量産試作の位置付け」
試作と量産との中間の接点の「量産試作」の位置付けは個々の事業で異なる。
決まった正解はないが、量産開始のシステム作りの結果の表現だ。
従って、設計と量産の移行や製品の作り込みや、双方の技術の蓄積に影響が大きい。
量産の問題を反映しない設計や、設計と異なる製造という無くすべき状況を作ってはいけない。
従って、双方が参加して事前と事後に意見と結果を確認して評価する作業が必要だ。
その具体的な事は個々に異なるだけで、省けない必要な事だ。
ここで現れた問題は、その対策自体が技術開発の課題だ。
量産を考慮した設計もそこで行われる。
一番の危険性は、責任の不在だ。
互いに任せた積もりになっては向上しない、積極関与が必要だ。
(2016/11/18)
「量産試作での作り込み」
「作り込む」とは生産工程に潜む不良要因をあぶり出す事だ。
机上の設計では判らない事や、装置との相性や材料の安定性等は作ってみて判る事は多い。
度々量産しないと明らかにならない事があるのは否定出来ないから、量産移行で終了でない。
だが、設計と量産との共同の量産試作で如何に作り込む事が出来るかの、その後の影響は大きい。
量産試作とは、不良やトラブルを見つけて修正しながら製造する作業と言う人も多い。
設計が自ら設計作業の結果を身近で見る意味も大きい。
もし不安が残る結果ならば、修正して安定してからの量産移行となる。
量産移行後に修正点が見付かれば、設計の含めての修正になるのだが、管理の移管は区切りとして必要だ。
作り込むとは、ノウハウを含む意味でもある。
(2016/11/28)