「地方自治体の環境基準」
高度成長期くらいから、工場の立地にはそれが存在する場所が問題となる。
地方自治体は環境基準を設けて、工場建設や設備を審査して制限する。
排気ガスや廃液の制限は当然であり、工場内の処理施設を含めて審査は厳しく行う。
既に稼働中の工場にも、環境基準による改善は要求される。
ただし、新規建築物はより基準が厳しい事が普通だ。
商業地・住宅地・工場地・その他の区分が作られている、それぞれで基準が異なる。
商業地・住宅地に製造工場を作る事には内容によっては、認可されない事も多い。
石油コンビナートは当然ながら、めっき工場や爆発物絡みも設置場所は限定される。
扱う材料に例えば、液体窒素やシアン化合物や金属ナトリウムなどの危険物・可燃物等があると同様だ。
それ以外にも、騒音や夜間稼働の光や、廃物以外の環境条件も含まれる。
(2017/10/04)
「ビーカースケールから大型化」
基礎研究段階をビーカースケールと呼ぶ。
そこでは原理原則を確かめる、可能性が出ればスケールアップの可能性を探る。
その段階は、全くの新分野か、既存量産方法が使えるか、世間的には量産設備技術があるかで別れる。
自社に既に量産技術があれば、その部門の技術と共同で量産試作を行う。
世間的に量産設備技術があれば、それを導入するか、自社開発するか判断が分かれる。
自社開発と言っても、装置は外部依頼が多く、共同開発になる事もある。
装置からの開発は、メリットもデメリットも多くあり戦略的な判断になる。
研究段階のビーカースケールは、場所的な制限が少ないが、スケールアップすると厳しくなる。
研究施設にプロトタイプの装置を設置したい事は多いが、認可が出ない事はしばしばある。
工場に要求される廃液・排ガス等の環境対策は、プロトタイプでも必要な事が多い。
(2017/10/14)
「量産設備での実験・研究」
研究・開発での実験で、スケールアップの時に量産設備を使う事がある。
勿論、量産品と開発品で同じ装置を使う場合だけだ。
量産品の技術展開を図る研究・開発は非常に多い。
企業戦力として、投資した設備と人員の活用は必要だし、技術の活用は有力だ。
どのような研究・開発では、新製品は量産可能なレベルまで進めて移行が求められる。
従って、量産スケールかそれに近い実験が必要となる。
要求があり、設備もあればそのレベルでの開発が行われる。
実験は研究者が行うが、現場技術・作業者が立ち合う・手伝う事もある。
その社内の開発の仕組みもノウハウであり、システム化出来ている企業が有利だ。
(2017/10/24)