古書にまつわる話4

ジェイムス・ホーガン死去

SF界の巨星の死です。

日本では、単独出版社から出ていましたのでマニアック作家と見ている人もいるかも知れません。

地球や人類の誕生の謎をテーマに、SFでありながら本格ミステリを読む如く、伏線とロジックが展開されます。

文庫版出版で、かつ版を重ねているので、現役の本である事が一番うれしいです。

内容が濃いので、まとめて読むのはしんどいとも言えますが、じっくり読んでゆきたい作家です。

既に評価も高く、残念な死です。(2010/08/07)

早川・ポケットミステリのカバーデザイン変更

ミステリ・SFの叢書で有名な、早川ポケットミステリのカバーデザインが変わりました。

単純に、デザイナーが死去したので変更するとの事です。

型サイズも変形で、類似デザインで長期間発行されてきました。

現在は発行ペースは落ちていますが、依然として現役です。

初期の発行は、通し番号と発行順が異なるために色々な研究が発表されています。

現在は予告なしの番号順です。判り易いですが・・・。(2010/09/04)

国策・防諜小説は何故低く評価されるのか

戦前・戦中は、出版内容の検閲が非常に厳しいでした。

結果として多数の、発行禁止本(発禁本)が生じています。

部分的に、文字の塗り潰しが行われる事を含めると出版の自由は無かった時期があります。

小説等の専業家は、生活の為に書かなければならないですから、希望ではない内容に移っています。

具体的には時代小説・ユーモア小説・国策・防諜小説等です。

国策・防諜小説は、特定の国を敵対するもので、それが作者の思想でなくても余りに簡単に否定されます。

その部分を肯定する気は全くないですが、それを時代性として省いて読むとそれほど内容が無いとは言えません。

表現の自由が無いときに、生活の為に書いたものの全てを単純に否定する事には疑問があります。(2010/10/02)

岩波文庫のある古書店

古書店も色々ですが、本当に古い本が置いてある古書店は減少しています。

外観の綺麗さで価格を決める「ブックオフ」スタイルが増えたからでしょう。

売り切りシステムで、いい加減な書店運営が出来ない岩波書店の本は入手が困難になりました。

それは、同時に古書店からも姿を消す事になりました。

岩波新書や岩波文庫は、相当にレベルの高い書籍が多数あります。

今は新書ビジネス向けのブームですが、内容はばらばらと言えるでしょう。

雑誌向きの内容もありますが、書籍は時間の経過に耐える内容が必要と思います。

古典の原書または翻訳を読みたい・調べたい時には、ちくま学芸文庫も一部出ていますが、岩波文庫の古書が 一番に探したいです。(2010/11/06)