古書価と復刊3

古書価がノウハウから公開へ

ネット・オークションや古書のネット販売が急増した結果、ネット参加者に急激に古書価の相場が伝わりました。

昔は古書カタログや古書店の値付けが高いかどうか分からない状態でした。それが崩れました。

これは特定の流通の多いか、目立つ商品では多くの人が相場を知る事になりました。

もう一つは、オークションです。売り手が値付けするのでなく、買い手が値付けするシステムの普及です。

この結果は一見して、古書マニアのノウハウの流出になりました。ただし、その対象は限られています。

そして、単に少数のマニアでの価格変動の可能性も存在するでしょう。オークションは2名が競れば価格はあがりますから。 そして一番不明なのは、本の保存状態の価格への影響です。依然としてノウハウは残っています。(2009/11/07)

初版本はプレミアか?

古書目録や古書店の価格札には、しばしば「初版」と書かれています。プレミアという意味でしょう。

確かに初版本マニアは存在します。ただしプレミアが何故付くのかは微妙です。集める人がいる事を除いて・・。

初版=レアでは通常はありません。殆どの本は、増刷されていないのです。初版のみの本は多数存在します。

古い時代では、初版が存在しないとされている本があります、売れている様に見せる為に増刷から出版した様です。

初版本に重大な誤植等の誤りがあり、増刷から修正した場合もあります。確かにテキスト的にはレアかも知れません。

私はある本を増刷回数の異なるものを探していますが、初版・2刷ぐらいしか見つける事は困難です。初版はレアではない のが通常であるというのが現状です。(2009/12/26)

中古本対古書?

アマゾンでの古書の扱いは「中古」と「古書」とがあります。

大体の意味は、「新刊より安価」か「新刊より高価」かの違いの様です。

中古は、古いだけ安くなり、古書・骨董本はレアもので高価になるイメージです。

これには特別な基準がなく、供給側の判断になります。勿論正しいかどうかは別です。

古書は全て、価値判断が微妙であり全ての人が同じ価値を持つ事はありません。

購入した時よりも、安くなるか高くなるかは過度に気にしても意味はないでしょう。テキスト的に読んだならばそれで良しと しましょう。骨董としてテキスト以外の価値を購入する時は全く異なる次元です。(2010/01/16)

版権移動の文庫化

ハードカバーの初出本は、もし出版社が新書や文庫を扱っていないと絶版になり易いです。

ただ、ハードカバーの売り上げがそこそこで、ちょうど絶版にしても良い状態になった時に、版権移動が生じます。

該当するのは、なかなか多くはありませんが、文庫出版側は売り上げは読みやすいし、テキストはおおむね不要です。

文庫もハードカバーもというのは、仕事量的に難しい時も文庫化が可能です。

この場合のハードカバー本は、同一出版社の本の文庫化と同じと考えて良いでしょう。

文庫で初出も、ハードカバーで初出も現在ありますが、出版社の移動を除けば同じと言えるでしょう。(2010/12/04)