古書にまつわる話5

ガラスケースに入れてある古書

少し大きめな古書店になると、通常の棚の他にガラスケース棚が設けてあります。

一見して高価なレア本が陳列されていると思い込みます。

頭の中に高価な古書というイメージがインプットされているので、購入本を探すというよりは見学するという雰囲気です。

ただ、全ての古書店が厳密にレア本を分けて陳列している訳ではない様です。

美本とか、価格に関わらず珍しい本=怪しげな本、その古書店で特徴的に扱っている本、挿絵等がきれいな本などが多いです。

ちょっとした、看板かデコレション的な意味で置いてある場合も多いです。

本当に高価な本、レア本は古書店主が座っている所付近に置いてあります。

勿論、その場所がガラス陳列棚の場合も多いです。(2011/01/01)

地方出版本

大手の出版社ではなく、地方・地域出版本はかなり多いです。

通常のルートでは、見かける事も少ないですが、地域古書店で扱っている事がしばしばあります。

当然ながら、その古書店のある地域の関連本です。

地誌・風土記・地域研究等の本が多いです。

それらが完備しているその地方の図書館もありますが、研究者には見逃せません。

ただ、発行部数が少なく豪華製本が多いので、ついでに買う価格ではありません。

老舗の古書店にとって、回転も悪くスペースを取っても、単なる古本屋とは違うステータスなのでしょう。

ただ不況等で、しばらく振りに訪れると閉店している事が多いのが残念です。(2011/02/05)

絶版という噂の本

本につきものなのが「絶版」です。

基本的に、版元の在庫が無くなり、かつ増刷しない本です。

増刷しない理由は多数ありますが、版元にない場合でも完全に流通が無いとは限りません。

書店・卸に委託した本の場合は、売れ残っている場合があります。

売れないから、全てが即時、出版元に返品という事はありません。

意外な所で、絶版とされていた本を見つける事は、時々あります。

それが保存状態の良い美本かどうかは、微妙というより経年変化かそれ以上は汚れがあります。

家電製品等の、店頭展示品に当たる程度の汚れは十分にありえます。(2011/03/05)

異形型本は残り難いか?

新刊書店・古書店共に棚に本を並べます。

それは、本にはいくつかの基本となる大きさ・型・サイズがあるからです。

スペースを無駄にせずに配列しますし、購入者も探し易いです。

その中で異形本がありますと、並べる場所がありません。

少なくても、類似ジャンルの本とは別の場所に置かれる事になります。

古書店では、平積みとか棚本の上のスペースに置かれたり、まともに扱われません。

それは、購入者の保管でも同様です。

古書の保存性からみて、異形本は廃棄される確率は高いといえます。(2011/04/02)