古書価と復刊2

創元推理文庫の50周年記念復刊

推理マニアには絶版本のレア本の多いのが、創元推理文庫です。

編集者に会った事がありますが、海外作品の復刊・再版の条件は「訳が良い事」との回答でした。

レア本は、訳が悪いか内容があまり良くないとかの理由があるとの事でした。

50周年記念復刊が「復刊リクエスト」を元に行われると発表されています。内容はどうしようも無いですが、訳は新訳で復刊 するとなっています。

そのサイト情報では、「幽霊の2/3」「殺す者と殺される者」:ヘレン・マクロイ、「フレンチ警視最初の事件」:クロフツ、 が新訳復刊が予告されています。

いずれも絶版のレア本で、オークションの落札価格は知らない人はびっくりする程です。さてこの情報後の状態は、見た目では まだ予告段階でも落札価格が下がる傾向に見えます。実際に復刊された後に影響は確認しましょう。古書派とテキスト派の比率も 分かるかもしれません。(2009/04/25)

発行部数の少ない高価な専門書

専門書は一般的に高価です。発行部数が少ないですし、著作・海外本の翻訳共に深い専門知識が必要です。

そして最大の理由は、いくら価格を低く設定しても購入数が急増しない性格の本だからです。簡単にいえば読む人の数が元もと 少ない種類です。

当然ながら、発行部数との兼ね合いから市場の流通は少なくなります。それは古書市場でも同様です。

そして古書市場に時々出ると、多くは痛み本です。保存状態が良い状態で持っている人は滅多に手放さないからです。

この種類の本は古書流通が少ないので、古書価が存在しない状態です。そして、復刊が行われると探求者は復刊本待ちになります。

基本的に初版価値よりも、新刊(復刊)が優先される場合が多い分野です。(2009/05/16)

探偵小説雑誌「ぷろふぃる」復刊

探偵小説雑誌「ぷろふぃる」は戦前の代表的な探偵小説雑誌です。厳密には戦後も同一名の雑誌はありました。

また知名度からは「新青年」が有名です。ただ探偵小説専門誌という見方からは、「ぷろふぃる」が代表です。

その戦前の「ぷろふぃる」が復刊されると知って驚きました。同時に価格が相当に高い設定になっており、それもびっくりです。

ただ古書価的には、戦前「ぷろふぃる」は1万円から3万円くらいが相場です。(保存状態により変わります)

復刊の、1巻(4号分)が2万5200円という設定は、必要としている人・古書として値打ちを認めている人には妥当かも しれません。

全巻で15万円以上なので、簡単には購入には踏み切れませんが。(2009/07/04)

サンリオSF文庫から時々復刊

サンリオSF文庫は短い期間に多数の出版をして、廃刊になった文庫です。

当時のリアルタイムに近い作品翻訳で出されていました。

だいたいこのような場合は、廃刊後年月が経過するとデビューから時間が経過して、複数の作家が著名に成長しています。

そして同時に入手困難本になります。

最近、それらの一部が復刊・・改訳復刊されています。あくまでも一部ですが、ファンには見過ごせません。

同時に復刊後の古書価が変化するのかは、見てゆくことにしましょう。(2009/08/15)

復刊ブームの忘れ物

復刊ブームです。意外なものが復刊されます。

同じ出版社の同じ判型の復刊。異なる出版社からの、判型を変えての復刊。訳や改稿しての復刊等、色々です。

復刊本の価格は、単純に同じ場合もあります。判型が替わると当然に変わります。

古書が希書扱いの時は、新刊時より高価になっているので、テキスト派は復刊本は有利です。

その他の場合は、復刊の方法で価格は微妙です。

ただはっきりしているのは、復刊情報と価格情報を持っていないと不利である事です。同じ事は古書店にもいえます。 古書の価格はたえず変動しますが、復刊はその一つの要素ですが価格設定が変わるかどうかは、販売側の情報と判断によります。

そして結構あるのが、単なる価格設定変更忘れです。ただし、購入・販売のどちらが得をするのかは場合によって異なります。 (2009/09/26)