古書日記(2009/11)

古書日記『読書家かつ非蔵書家』

ネット・オークションやブックオフ等で新刊書が、極めて早く古書として並ぶ事に驚かされます。

大都市の書店で発売日に購入して、すぐに読んでしまう。そしてすぐに転売するという行動です。

新刊を知っている・短時間で読む・有効な処分方法を知っているという条件に該当する人です。

読書家でありますが、蔵書家ではないという人が当てはまります。本は一度しか読まない人には保管が厄介です。

ブックオフの価格は、個別の価値判断ではなく、外観と売れ行きの2つで決めています。新刊を無疵で売れば一番高価です。

そしてすぐに売れる本は高価な値付けです。それに該当するのが、新刊すぐの読書後の本です。

オークションでもまだ購入していない人が多い程の新刊は、高価で取引できます。 (2009/11/07)

古書日記『没後50年』

生誕百年記念とかが、最近目立ちます。他にも色々な記念年数が設定でき、いわゆるフェアはやり放題です。

ただ、復刊される本が入手困難で復刊されないと困るかといえば、通常は異なります。

延長論議もありますが、著作権が切れる「没後50年」が意味が大きいと思います。

この歳までたっても、読まれる本は稀ですし、入手困難だが読むに耐えるならば復刊は貴重です。

生誕百年復刊でも、すでに現在の読者には理解しがたい内容が多いと思います。ただそれは表面には出しません。

本年で著作権が切れる作家に、橘外男がいます。直木賞作家ですが、現在ではどうかというと選別しだいでしょう。

リアルな内容が少ないだけに、当時も現在も幻想・怪奇な世界は時代ギャップがやや少ないかも知れません。 (2009/11/14)

古書日記『ロングテール』

ネット上の通販の特徴は、「ロングテール」とも言われます。

わずかしか売れないが、長期間売れる商品が取引される。

少数の供給者と少数の需要者がおれば、ネット上で出会うことができます。

ビジネスではネット以外では、成り立ち難いものがネットでは、多数の物件が積み重なり成立します。

古書もそれに該当します。基本的に、1品商品ですし需要も少ないですがどこかに探している人が存在します。

古書は、オークション販売・ネット古書モール・ネット古書店等で扱われます。前者2つは、検索機能が有効に働きやすいです。

ただ見つかりにくいのが、絶版扱いの非古書です。小さな出版社は在庫を持ちますので、古書では見つからなくても新刊では見つかる ことがあります。ただシステムは不十分です。 (2009/11/21)

古書日記『古書価が新刊価格を超える時』

古書価は保存状態で大きく変わりますが、通常の美本(経年変化のみ)で古書価が新刊価格を超える時があります。

物価や、デノミでの価格変化は当然にありますので、出版後の経過時間が長いと通常は新刊時の価格は越えます。

それでは、昭和50年位から後ではまだ新刊時の価格を越えていないものの有ります。

一部の本で取り扱う古書店では、かなり早い段階で古書価が新刊時の価格を超えているときがあります。

ネット以前は特に珍しくもありませんでしたが、ネットで古書価が大きく差が生じにくくなった現在でも時々みます。

それは何かのプレミアが付くときです、意味があるかどうかは個人差が大きいので少数の蒐集家相手とも言えます。

極端な例を除いた場合は、最近ではなかなか古書価が急激に高くはならないです。何かの風聞的なきっかけが必要です。 (2009/11/28)