古書日記『古書のマニア化・高騰化』
ネット・オークションやネット古書店が増加すると、弊害もあります。いや個人的にそのように思うだけかも知れません。
マニア本、マイナー作家の本の異常な高騰です。
高騰には市場にものが無いという事が出発点です。従って絶版かつ復刊見込みなしです。
この条件にあたるには、読者が少ない・復刊経費が回収出来ない・市場に古書の数が少ない等の条件があります。
いわゆる一部のマニアのみが探す稀覯本あるいはマイナー作家本です。
テキスト的な面や内容面では、価値は不明ですが、少なくても出版時にはあまり売れておらずかつ保管されている数が少ない。
常識に考えれば面白くないと当時または現時点では考えられている本・作家です。
それでは一部のマニアは再評価しているのかは不明です。たぶん稀でしょう。従って古書がひとりで高騰化していると思えます。 (2009/12/05)
古書日記『古書価格設定の悩み』
「アマゾン」はロングテール商品の扱いで有名です。
本は、新刊・古本・マニア本と3つに別れています。後者2つの差は、詳しい者から見れば適当にしか見えません。
アマゾンでは、送料が一律に規定されています。実費ではないのが単価の安い本の場合は困ります。
古本を調べると、1円が並びます。送料が一律340円ですが、190円で遅れる場合や複数冊の同時購入で送料が安くなります。
出品者にとっては、実は厄介で商品と送料を区別したいようですが、システム上で無理で合計を最低価格にする為に商品1円になります。
複数冊の購入時の送料の差を除く方法が実は悩みで、クーポン券を附けたりマイナス補正を行ったりで対応しているようです。
複数一括出品は、問題があるのは殆ど見かけません。(2009/12/12)
古書日記『古書カタログがオークションに出品』
ネットオークションは何でも出品されますが、古書ではなく「古書店のカタログ」が出品されていました。
ポスターから切符・半券・雑誌や新聞の切り抜きまでも、出品されますから驚くことではないのでしょう。
実際の所では、良く整理された「古書カタログ」は情報の切り貼りレベルの新刊書よりも遙かに正確で有用です。
とにかくその内容で、ビジネスを行うのですから読んで注文するマニアに内容が正確に通じる必要があります。
「間違いがあっても仕方がない」といわんばかりの本の情報書の新刊とは、比較になりません。
世の中には研究者がおり、そこからの情報は正確で有用ですが、評論家の本は都合の良い情報のみ探して掲載・引用するので 情報の精度は著しく劣る事がしばしばあります。
目的外だと言ってしまえば、それだけなのですが・・・・。(2009/12/19)
古書日記『復刊のダブり』
多くの本は著作権がありますので、出版に際して重なる事はありません。
ただし復刊・古い原書の翻訳・アンソロジー等では、偶然に重なる事もあります。
数年前に、セイヤーズの「ナイン・テイラーズ」がほぼ同時に2種類の新訳が出版された時は驚きました。
最近では、佐々木丸美の作品が全巻復刊されましたが、別の出版社でも文庫で継続的に出版されています。
久生十蘭の全集が刊行途中ですが、過去に全集と言う名の選集は幾たびか出版されています。
久生十蘭は、書き直しの多い作家で有名ですのでどれが決定版かの議論もあり、テキスト的に微妙に異なります。
類似は多く生じる事ですが、読者や購入者には悩みとなります。(2009/12/26)