古書日記(2010/05)

古書日記『異形本の保管は面倒』

古書に関わらず本の保管は場所を取ります。

特に古書は、痛みが激しいとか取り扱いが注意が必要などで丁寧に扱う必要があります。

その場合に、本のサイズというか形が問題です。異形本がかなり多いのです。

文庫サイズ・新書サイズ・A6・B5・等が代表ですが、それ以外もかなり多いです。

箱入りもサイズ違いになりますし、専用カバー等も形状違いとなります。

叢書シリーズは同じサイズが多いので並べるとしても、1冊のみサイズ違いは結構あります。

そして、基本サイズでも出版社ごとに微妙にサイズが異なることがあります。

出来れば作者・ジャンル別に保管したいのですが、一部を除いては本のサイズごとに保管になりがちです。

文庫を保管用に考える人も増えていると聞きます。保管に向いていますから。(2010/05/01)

古書日記『蔵書を嫌う人も増えている?』

電子書籍に関するネットの書き込みを見ると、本は読み捨てという人が相当に多いです。

周りに沢山の本を並べて、パソコンで文章を書いたことが度々あるので理解外です。

情報は一度読んだら、憶える・・・とは無理ですね。

再読するレベルの情報ではない・・・あり得ますが、そのレベルの本としか巡りあっていない人は気の毒です。

電子化して保存が有利・・・テキスト以外の資料性の多さをしらない人たちです。

電子化すると、学問の種類が変わる様に思います。空想や仮説が実証できないで、統計的な研究に偏る気がします。

古書を骨董扱いする事は、私は判りませんが不思議はないと思います。

音楽や映画と同じに考えている人も多いですが、資料映像・ドキュメント・ニュース映像・無声映画等の事は書かれていません。

電子化と紙ベースの併用が常識的な進みかたでしょう。問題は中身です。(2010/05/08)

古書日記『ネット「せどり」?』

「せどり」とは古書店関係が、安く仕入れた本を高く販売する事です。

古書という世界は、一品販売ですから仕入れと品揃えが勝負です。

問題は在庫です、仕入れに費用がかかりますのである程度の資金が必要です。

そして、購入+在庫+手数料+儲けの費用で販売する必要があります。

逆算すると、販売可能な価格を知っている事と商品回転期間の見込みが必要です。

簡単にいうと、平均的には情報で決まる事でしょう。

もっと言えば、情報と時間を儲けに変える事といえます。

安いものを高く売るという表面的な事よりも、実は儲けは少ない難しい事です。

ただし、情報とシステムがあれば可能性は高いですが、今では継続性は昔より難しいでしょう。(2010/05/15)

古書日記『遺品整理業』

テレビで「遺品整理業」というものを紹介していました。

遺族が故人の遺品の整理が出来ない時に、代わりに整理から処分までを代行します。

ただ現在は、専門知識をノウハウとして持つ業者と、参入しただけで信用出来ない業者があるようです。

たぶん古書は、多くの場合は遺族には整理出来ないものなのでしょう。

まともに値付けできる業者は少数でしょう。

オークションや専門カタログの価格は、目安としては不安定すぎます。

一括処理は、大きな見落としがあります。

ただ、専門古書店等に廻ればたぶん、古書としてまともな扱いを受ける確率が高いと思います。

古書は骨董的な価格は少ないですが、継承するべき文化資料としては無視できません。(2010/05/22)

古書日記『長期保存を考慮した紙』

製作者が読み捨ての書籍と思っていても長期に渡って古書として受け継がれるものもあります。

逆もあるのですが、そちらは完全に結論が出る日の制限はありません。

どのような紙質が保存性が良いかは、出版社は判っていると思いますが、どの書籍に使用するかは判っていないでしょう。

紙と共に、インクもかなり重要です、双方が保存性が良くて年数が経過しても判読可能だからです。

版画や写真集等にも同じ事が言えます、印刷技術が多様になっても保存性とは一概に比例しません。

雑誌や新聞が、今でもオークションに出品されています。かなり劣化はしていますが・・・別問題なのでしょう

出版不況で、コストを考慮すると本の保存性まで最善を追及出来ない時代でしょう。

古書の状態を見ても、時代の古さと判読性は比例していません。

それ所か、本として存在が難しくなっている酸性紙時代の本が多数存在します。(2010/05/29)