古書日記(2010/09)

古書日記『「元セロ」の今の呼び名』

昔の文庫本や最近の、箱入り本では半透明な紙カバーがついています。

古書カタログでは「元セロ」の表示があります。

セロハン紙と思って買いにいくと、透明の異なる紙が登場します。

実物を見せると「硫酸紙」と呼ぶそうです。

本のカバーに使うというと、他にもその用途で購入する人がいるようです。

光による紙の劣化を防ぎ、題名等が見える半透明なもの。

本を大事に扱う人は、結構使用していると思えます。(2010/09/04)

古書日記『古書カタログの発行が減少』

古書カタログの発行が減少しています。

複数の古書店が共同で運営している古書祭は、続いているのでそこでの発行はいくつかは継続しています。

カタログ作りは手間がかかりますし、専門店でないとなかなか馴染み客が付きません。

それに、古書は1品ものが多いので、販売効率は低いです。

そして、カタログ価格を参考にネット古書店やオークション販売が急増した背景があります。

その結果、古書価格が異様に変化しました、レア本というものが勝手に出来て高価に取引されています。

この状況は蒐集家に本が流れ、読書家には本が回らないという傾向です。(2010/09/11)

古書日記『古書店に流布している原稿・書簡』

福永武彦の戦後日記が、古書店で見つかった話題があります。

現実に、かなりの数を見かけるのですが、高価ですし値打ちが判らないのが普通です。

今回は、作家の長男が紹介していて、資料価値ありとの認識ですが、本当の所は微妙でしょう。

資料価値はよく使われる言葉ですが、簡単に言えば一般には判らないという事でしょう。

古書店は、値付けが重要ですが、抽象的な資料価値は金額に換算しにくいです。

結局、あまり流動せずに静かに取引されるのでしょう。

蒐集家が亡くなり、相続者が理解がないと、悲惨な運命にもなります。(2010/09/18)

古書日記『岩波文庫の古書がある書店』

外観だけで値付けする:ブックオフ方式の古書店には殆どないのが、岩波文庫・新書です。

代表的な買い取り方式の出版社です。

岩波文庫・新書は、現在の眼でみると歴史資料として貴重な本が沢山あります。

いくつかは、他社の復刊もありますが、独自の品揃えです。

新刊書店ではあまり置いていないので、古書店を探す事が多いです。

感じる事は、昔の本は厚みが薄い事です。

活字の大きさも影響している様ですが、読みやすい事と内容が薄い事のどちらかと考えると悩みます。(2010/09/25)