古書日記(2010/11)

古書日記『全集・叢書が減少』

依然として単行本の新刊は多く出版されています。

ただし、長期間で多数冊を継続出版する、全集や叢書は減少しています。

単純に、何かの本を探すと結構昔に出版されている事が判ります。

それも、単一の出版ではなく叢書の1冊として、或いは部分的に他の類似ジャンルの本の一部と一緒に出されています。

古典や海外古典の翻訳は、資料的・歴史的な意味は大きいですが、全部を読むのはかなり厳しいです。

そこで、歴史的に有名な部分の一部と全体の解説とを合わせて・・という形です。

また、例えば岩波文庫等でレアに感じる古典が文庫サイズで出版されています。(2010/11/06)

古書日記『平積みを探しますか』

新刊書の平積みは、同じ本が並んでいます。

古書の場合は、異なる本・棚に並べられない本が置いてあります。

腰をかがめて、整理?しながら探す事は時間的にも作業的にもかなり厳しいです。

当然に、他の人も同様ですので、多くの人の目に触れていない本が多いです。

もし、掘り出し物があるとすればそのような状況からです。

時間が許せば、結構探す方ですが無駄な時間を使って、結果はたいした事はありません。

でも、整理の悪い古書店や平積み古書店をあさりつくすのがマニアの醍醐味でもあります。(2010/11/13)

古書日記『蔵書家の整理本』

古書が市場に出る機会が減少しています。

本を読み捨てる・古本売買する人の増加が目立ちますが、蔵書家は本をなかなか手放しません。

蔵書家が手放す時とは、いささか寂しい時が多いです。

しかし、レア本が市場に出るのはその様な機会でしかないのも事実です。

蔵書家あるいは、愛書家の中のいくらかは蔵書を特定の人や機関に譲る・残す事も多いです。

その場合は、ダブりや弱レア本のみが市場に出る事になります。

時々、オークション等で蔵書スペースがなくなり整理する事にしたという内容で弱レア本を見かけます。

なかなか巡り会う事も、競争で入手も困難な状態です。(2010/11/20)

古書日記『経時劣化』

古書は、環境によって異なりますが、必ず経時劣化します。

これは暗黙の了解事項で、美本でも軽度の経時劣化はあります。

ただし、軽度かどうかの判断は個人差があります。

その人の立場もありますが、それを除いても美本をどの程度見ているかの経験が左右します。

発行時期、紙質によってかなり変わります。

経過時間に比例しないのが普通です。

酸性紙を使用した時代とか、紙質の悪い雑誌とか、仙花紙とか、和紙とかで状態は全く異なります。

マニア間では常識でも、未知の人には経験を積むまで分かりません。(2010/11/27)