古書日記(2011/01)

古書日記『新訳本と旧訳本の混在』

翻訳に関しては、正確さという面では技術は向上しているでしょう。

訳者の文体が、作品の雰囲気を正確に伝えているかは別の問題です。

復刊は絶版本に対してではなく、非絶版本に対しても行われます。

旧訳は、時代的に読みにくい面とまだデジタル文書ではなく、活字の時代の時は写真製版になります。

後者の場合はたいていは、非常に読みにくいです。

再度、オペレーターがデジタル入力をする場合もありますが、思い切って新訳する場合が増えています。

非絶版本の場合は、複数の種類の訳本が存在する事になります。これが同一出版社内でも起きています。(2011/01/01)

古書日記『古書店の商品回転周期』

ブックオフ・スタイルは、新しいビジネスで除きます。

古書店における商品の回転周期は、定期観測者にはかなり重要情報です。

昔は企業秘密だったかも知れないが、今は公表または推測、そして聞けば教えてくれる所が多いです。

ネット通販の古書店では、新入荷コーナーを設置しているところが多く、およその新着周期が予想出来ます。

同様にメールマガジンで情報を流す所も同様です。

それ以外でも、定期的に訪問すると新しく商品が入る周期を教えてくれる事が増えました。

マニアの習性と、常連客の習性を考えると情報を流した方が良い客もいるという事でしょう。(2011/01/08)

古書日記『カバー・帯を気にするマニア?』

古書店の人の話では、カバーや帯の有無や保存性を気にする人が増えているとの事です。

そもそもは、本体を保護する目的のものです。

つまり包装品ですので、本体が無事であれば関係ないという趣旨のものです。

それがいつの頃か、本体の一部として扱う人が増えています。

最近は、その上に本屋さんのカバーをかぶせて読むというスタイルが普通です。

それが行き過ぎると、本体の装丁や表紙を見ていない・カバーのよごれを傷扱いする傾向があるようです。

個人の価値観は非難しても意味はありませんが、古書では本体のテキストが重要との私の認識は変わりません。(2011/01/15)

古書日記『古書店の縦積み』

古書店に限りませんが、本を探したり引き抜いたりするには、棚に横ならべが有効です。

新刊書店の平積みは、同一本です。

古書店の本は、1品が基本なので縦積みでも、横向きに背表紙を読んで探す事になります。

面倒だから、飛ばす人も多く、逆に掘り出し物が見つかる可能性も多いです。

探すのも厄介ですが、中から1冊を取り出すのはもっと厄介です。立ち読みには向きません。

そこで、似た方法に奥並べがあります。本を奥に並べると、題名が読めなくなるので1冊ずつ手前に倒しながら探します。

ただし、取り出すのは簡単です。どちらもスペース確保の手段ですが避けられません。(2011/01/22)

古書日記『非売品の古書:1』

新刊といっても、書店販売されないものは多くあります。

もっと言えば、販売を目的にして作られていない本もあります。

現在は、コピーや簡易印刷・製本等のサービスが存在しますので、個人レベルでも本は作れます。

実際は、会やサークルの会報・卒業論文等が該当します。

もうすこし規模が大きくなると、企業の社内報・社外向け技術報、企画書・脚本等があります。

これらの「非売品」も古書として、古書店に並ぶ事はあります。

もともとの新刊価格がなく、一般的でなく、発行部数に限りがある等で、古書価格は大きくばらつきます。(2011/01/29)