古書日記(2011/07)

古書日記『猛暑の中の古書市』

最近は、屋内の古書市も増えてきました。

しかし長く続いているのは、夏の風物詩の屋外・青空古書市です。

最近の猛暑は、流石に影響は出ています。

古書市の標準の楽しみは、ゆっくりと掘り出し物を探す事でしょう。

しかし、屋外で猛暑ともなると、現実はゆっくりとは出来ません。

屋内も節電で、温度設定を下げるので、人混みの中は結構厳しいだろう。

仕方ないから本でも読もうか・・照明を弱くか・・・読書は深夜にしよう。(2011/07/02)

古書日記『ルピの存在』

当て字とルピんの組み合わせで文体となる作家や作品があります。

まるで文語や古文の世界ですが、それが狙いでしょう。

少年・少女向けの出版の場合は、ルピは常識になっています。

最初に一般向けで、その後に少年・少女向けの場合にルピは誰がつけるのか気になります。

ルピは、パソコン等で書くときにかなり面倒でした。

一応は対応していますが、やはりややこしいです。

ただ古書だけでなく、現在の新刊でもルピは存在します。(2011/07/09)

古書日記『翻訳本の、新訳と旧訳古書』

翻訳に誤訳はつきものです。

同時に超訳や、極端な意訳もありますし、古くは抄訳が多数ありました。

新訳が、古い訳の欠点を全て克服しているのならば良いのですが・・。

日本語的には読みやすい事は当然として、原作をどちらが反映しているかは原本読者以外は判りません。

読みにくい原本を、読みやすく変えている可能性もあります。

専門用語等は、いくら新訳しても正しくなるとはかぎりません。

一部は旧訳も古書で残りそうに思えます。(2011/07/16)

古書日記『解説の古書と、新版との差』

文庫本では、解説がついている場合が多いです。

一度書かれた解説は、通常は長く使用されます。

ただ、新装や改版時には、新しく書かれる事が多いです。

結果的に、2つの解説は長い時間を挟んで書かれる事になります。

最初は、まだ作家の作品数が少ない時にその後の方向性も不明で、推測で書かれたものです。

新版での新解説は、逆に作家のほぼ全ての作品を対象にして作家論を展開したり、特定の作品の位置ずけが出来ます。

勿論、初心者に有用なのは後者ですが、資料的には前者も興味はあります。(2011/07/23)

古書日記『珍しいが、蒐集家がいない本』

古書について、膨大な数を網羅した書誌等は一部の分野以外は存在しません。

あるいは、一部に研究家が存在しても広く公開する機会は、殆どないと思えます。

通常の古書店で見かける事は希ですし、見逃しやすいです。

出会うとすれば、大古書市かそのカタログ、またはオークション出品です。

ただ、説明か書影か発行年月がないと、やはり何かさえ見落とすでしょう。

著名でない本や、作家は活動年月も発行年月も不明ですし、内容も想像でしかできません。

そして、戦前・戦後にも多くのそのような本があります。(2011/07/30)