古書日記(2011/08)

古書日記『読者アンケートによる復刊』

新刊、復刊ともに、読者の話題性が自然と広告効果になります。

復刊の場合に、読者の多大な要望によりついに復刊・・的な広告コピー等は欲しいです。

それにぴったりなのが、読者アンケートや復刊リクエストです。

人数とか順位は公表しなくとも、読者のリクエストという事実は存在します。

いっそ、定期的にという出版社も出てきます。

読者は歓迎ですが、それでは不安の場合は、一定の予約が集まれば復刊という方法があります。

あまりに数量が少ないと、固定費が回収できないからです。(2011/08/07)

古書日記『海外出版原本の著作権は複雑』

海外出版物についても基本的には著作権は同じ扱いです。

これは、国際条約で決められています。

ただ、翻訳に関しては日本語への翻訳の難しさから、10年留保という特例があります。

いつまであるのか不明ですが、出版年が1970年を境に扱いが異なります。

それ以前は、海外での出版後の10年以内に翻訳権が取得されなければ、翻訳権は自由になる特例です。

古い著作に対して、複数の出版社から異なる翻訳が出ている理由がこれに該当します。

ただややこしいので専門家に確認した方が良いでしょう。(2011/08/14)

古書日記『個人作品集の自主編集』

古書には、雑誌やアンソロジーも含まれます。

その中から、同一作家の作品を抜き出して、オリジナルの個人作品集の形で復刊する事もあります。

これは、マニア的には喜ばれるのですが、かなりの知識と情報が必要です。

特に連載となると、1作品にまとめる事自体が難しい作業です。

一度、出版されたものをそのまま復刊するのが、容易です。

ただし、時代と共に紙質やページ数が変わりますので、完全復刊が異質に感じる可能性はあります。

いずれにしても、元になる原本の存在が前提になります。(2011/08/21)

古書日記『著作権者探しは続く』

古い書籍・テキストを復刊する時に、意外と苦労するのが著作権者探しです。

利益の有無に関係なく、著作権は存在しますし、その期間中は著作権継承者が存在します。

著名な人は登録されていますが、連絡不明の場合も多いようです。

発行された書籍の末尾に、著作権者探しの依頼が掲載される事が多いからです。

著作権料が多額の作者ばらば、権利者が不明になることは希でしょう。

現実は、多くの著作物が新たな著作権料を発生させない状況です。

なお、テキストとイラスト・写真等の著作権者は通常は異なります。(2011/08/28)