古書日記(2012/01)

古書日記『古書の価格表示方法』

通常の古書では、価格は裏表紙付近に表示します。

商品によりますが、多くは糊付けや鉛筆書きが多いです。

特に価格が高いものは、専用帯や価格紙のはさみ込みなどをします。

通常は、店主も憶えられないので本自体に書き込むか、貼り付けます。

入手者は、やや気になりますので、消したり剥がしたりします。

普通紙では難しいですが、プラスチックコート紙では、剥がした後の糊を取る方法が試されています。

一度、古書で安易に扱われた本が、蒐集家の元では丁寧に扱われる事も多いです。(2012/01/01)

古書日記『初版好みの理由は?』

古書カタログでは、「初版」「重版」という言葉が目立ちます。

ほとんどの本では圧倒的に多い「初版」が強調される理由はなにでしょうか?。

学術的には「初出」は重要ですが、一般的には読むには不要か改訂があればむしろ良い場合も多いです。

ただし、一部にベストセラーは重版を重ねて初版が珍しくなる事もあります。

特に、帯やカバーが重版で変わる事もあります。

ある本の、重版全てを集めてみようとしましたが、版を重ねた本が古書市場に出る事は逆に少ないです。

出版時には、無名からスタートしてその後に評価が高まる過程での初版という解釈が妥当でしょう。(2012/01/08)

古書日記『保管スペースがない人向けの文庫』

本の保管には丈夫なハードカバーが最適です。

新書や文庫は比較すると傷みやすいです。

ただし、読書家で読んだ本の蒐集家であれば、保管スペースが問題です。

本棚に綺麗にならべるという、夢はいつかは無理になります。

仕方なく横積みや二重重ねや、果ては段ボール箱詰めになります。

どの場合でも、本の版型が揃っていて、小さいと効率は良いです。

文庫というと安価と持ち歩き易いというイメージですが、実は保管用に最適なのです。(2012/01/15)

古書日記『同一本の重ね買い』

テキスト的には、同一本は不要な事が普通です。

しかし、あえて購入する人もいます。

条件としては、安価な事か、いわゆるせどり的な、転売かだれかに譲る事です。

高価な本や、レア本では、保有者を減らす目的で購入する人もいるように感じます。

これは、読書マニアではなく、古書蒐集家といえます。

古書は痛みがあるのが普通ですから、保有本でも安価で綺麗なら購入する事は結構あるかも知れません。

あとは、増刷時に訂正や変更があることが知られている場合は、実は同一本でない事もあります。(2012/01/22)

古書日記『学術文庫の増加と古書』

学術書は数は売れないので通常は高価です。

そして、いつしか絶版になってしまいます。

しかし、その分野の研究者や興味がある人は継続的に存在しますので、古書の探求書になる事が多いです。

通常は短い期間で読めないので、図書館で見つけても借り出しは出来ない事が多いです。

その中で岩波文庫・新書という、古典等の叢書が長く存在しており、現在も改訂復刊や新版を出しています。

それの影響かは不明ですが、古典・教科書・教養レベルの専門書に近い文庫が複数発行されています。

完全新刊よりも、昔ハードカバーの著書の復刊・改訂復刊が多いです、さて古書を探すか新刊かどちら?。(2012/01/29)