古書日記(2014/05)

「カバーは多数存在する事が多い」

書籍本体は、増刷しないと種類は通常は増えないです。

ただカバーとなると、返品本に痛んだカバーを付け替えて、再出荷が普通です。

従って、カバーに付いては種類が多い事が普通でしかも履歴が残りません。

カバーまで気にするかどうかですが、古書蒐集家でテキスト派以外は気になります。

同一版で、幾種類存在するのかが不明ですから、はまると厄介かもしれません。

著名な本では、研究や情報がありますが、それは少数派です。

色違いカバーや、僅かな色差のカバーが日焼けで変色して判らない事も起きます。

叢書で統一色と思っていても、並べると微妙に異なる事はよく有ります。

異形や変則カバーという、マニアを気にさせるものもあります。

汚れが目立つカバーが、急ぎ変えられた例もあります。

カバーはいつしか、本体の表紙・装丁よりも目立つ存在になった様です。

ただカラーコピーの普及で、表紙コピー本の資料発行も行われていますし、個人レベルでカバーコピーする事も有るようです。

(2014/05/04)

「誤植本コレクター」

切手の世界は別かもしれないが、テキスト主体の書籍は誤植・落丁・一般的な内容ミスは好ましくありません。

機会があれば修正したいですし、複数回増刷・復刊されている本では、多くは改訂・修正があります。

逆に、修正版があると、誤植版等の差異が判ります。

そこに、誤植本コレクターの出来る余地があります。

修正なくして、間違いの指摘の意味は弱いです。

それに初版だけしか存在しない本のに興味を持つ人も少ないです。

何が間違いだったかの判断は、修正版の存在でようやく予想が出来ます。

ただ、修正したつもりが、逆に間違いを起こす場合もあります。

いずれにしても、同名で内容に差がある本になります。

マニアックな、コレクターアイテムです。

(2014/05/14)

「文庫本のやすりがけ」

文庫本は、本の腹の部分が表紙と同じ位置なので、積む・展示だけでも傷みます。

売れ残りで小売りから出版社に返品された時に、カバーの交換だけでは不足があります。

通常言う所の、やすりがけを行います。

やすりがけの行われた、初版本(限らないが)は多く見かけます。

テキスト的に差はありませんが、純粋な新刊かどうか迷う事はあります。

古書の場合でも、外観的に違和感はあります。

実はやすりかけしていない文庫本は、上の部分が不揃いな裁断になっている事が多いです。

やすりかけすると、そこも平たくなります。

新本流通の流れですから、気にしても難しい面はあります。

ただ、古書への流通確率はやや増える気もします。

あくまでも気がする程度です。

(2014/05/24)