古書日記(2015/07)

「サイン本は高価?」

古書店で、主に著者サイン本を高価で販売している所がある。

そこには、価値観と真偽と為書きが絡む。

とりあえず、真偽は難解で信用の問題だ。

目の前でサインしたものは確かで、次は出版社と作者の情報が一致した時だ。

それを拡大すると出版社も信じよう。

古書的には、サイン以外の名前の書き込み(為書き)はマイナスと言う。

直接サインを貰うときには可能なら、自分の名前も書いて貰うのだが、ビジネスは違うらしい。

古書でサイン本がでて、他の人の名前があればどうかは、個々で異なると思う。

個人的には気にしないが、為書きの有無でサインの真偽を判断する事も難しい。

サインの真偽は古書店も同じようで、価格を聞いたら逆に真偽を聞かれた事が複数回ある。

そして価値観だ、肉筆はファンなら欲しいもだ、故人ならなおさらだ。

ワープロ時代には、肉筆はサインか色紙に限られて来た。

(2015/07/08)

「サインカード」

海外では、書籍にサインをしないでサインカードを挟み添付する事もあるようだ。

翻訳本の都合なのか、一般の習慣なのかは判らない。

ただ、見かけたものがその様になっていた。

保存性は問題かもしれないし、古書に出るときに添付しない事が考えられる。

その為か、古書で見た事はない。

ただ、通常の書籍へのサインはごく少数見た事がある。

日本の書籍では、カードでなくチラシか付箋を見た事がある。

ただ、その評価はしらない、自己満足の世界なら気にはとめない。

書籍と分離する事には、メリットもデメリットもあるので好き嫌いはありそうだ。

なお書店等のサイン会は、購入書籍へのサインが基本なので、多くはそれ以外は不可だろう。

(2015/07/18)

「為書きの価値」

為書きが否定的な事は、見知らぬ名前が落書き扱いだからだろう。

著者の肉筆と見れば、価値を認める人もいる。

贈呈書もある、著者や出版社が知り合いや関係者に贈呈する。

その時に、著者が為書きをする事があり、贈呈先が有名人だと逆に価値を見つける人もいる。

有名人かどうかは、個々で判断が変わるが、見知らぬ名前よりはプラス扱いだ。

そして、それ以外になにか書いている場合もありそれがどの程度かは不明だ。

最近は桜庭一樹の様に、ワッペン等を貼る作家もいる。

はっきり言って、事前に噂を聞いていないと驚く。

そして、公式のサイン会では捺印が押される。

これは一般にサインの真贋の間接証明にもなり、好まれる。

個人的には、本物ならば為書きを含めて全ての肉筆は、価値を認める立場だ。

(2015/07/28)