古書日記(2015/11)

「異装版マニア」

本は同じ筈でも、外見が変わる事がある。

通常は、カバーや帯で、装丁が変わる事もある。

異装版と呼ばれるが、奥付けが単に増刷になっていたり、同じ事も有る。

カバーや帯の変更は、版が変わる必要がない。

受賞帯や、映像化帯が有名だが、在庫のフェア時に行う事もある。

本来は汚れ防止目的で、製品でない部分だったがいつしか一人立ちした。

特にカバーが後年に話題になる事がある。

増刷時に誤植や間違い訂正が、黙って行われる事もある。

これは完全に、研究者やマニアは無視出来ない。

そして、古書では増刷を見つける事は難しい。

通販では、奥つけを明記しない事が一般的になる。

古書市などで地味に探すか、巡り合うしかなさそうだ。

(2015/11/05)

「改訂版・改訂増刷」

増刷には改訂増刷が含まれる事があるのは、度々になるが結構存在する。

特に電子植版になってからは容易に行えるので、急に増えた。

しかし、辿れば活字使用時期でも結構見つかる。

ただし、改訂を行い内容を正確にする出版社と、そうでない初出という名の無関心社とがある。

時々は、改訂と表示される事があり、その時も出版社の性格で判断する。

改訂は、内容が変わると通常は判断するが、詳細は通常は明記されない。

定価とか著者捺印廃止とか、活字の大きさとかテキスト外も含まれる。

その捕らえ方は、収集マニアには微妙で、テキスト派は無関係だ。

テキストは基本は改良・修正だが、人間の判断だから改悪・間違いに変える事も有る。

度々、決定版というものを見るが、本当にそうなのかは誰も判らない。

(2015/11/15)

「本体と付属品と包装品」

本で本体というと一体化した部分を指す事が多い。

月報・差し込みチラシ・差し込み栞はコンテンツかも知れないが、古書では散逸が多い。

カバーは最少は汚れ防止の包装だったし、帯は広告だった。

現在のカバーと帯は、しばしば変わるしそれは本体とは無関係が多い。

カバーは本来の包装の目的とあわす事や、帯以上の広告効果を目指す場合や、復刊等のアピールだ。

帯は推薦文が流行だったが、次第に受賞帯や映像化帯に非常が移っている。

いずれにしても、豪華箱以外は本体以外の扱いだったが、古書では微妙だ。

資料性や、販売時の再現の完全性を求める事がある。

重視される保管状態という美本かどうかでは、本体以外も保管されている可能性が上がる。

最近では、破損し易い帯は外して、本体に挟む事が増えている。

気になる人は、チェック項目のひとつだ。

(2015/11/25)