古書日記(2016/03)

「活字の違い」

書籍は植版の時代も、電子入力になっても活字を使用する。

その他には挿絵やルピなどの要素もある。

現在は活字を大きくする傾向があるが、一般的には適度な大きさがあるだろう。

視覚障害者向けの本は別の話だ。

特に変わったのが、文庫本だろう、古書特に古いもの比べるとかなり異なる。

現在は会話や行替えが多い通称白い本が多い、これに活字を大きくすると奇妙だ。

読みやすいと言うよりも、単純に情報というかコンテンツが少ないと感じる。

そしてページ数が増えて、価格が上がるともはや文庫とは何か的になる。

それでも通るのは、ハードカバー本の価格上昇絡みだろう。

価格が高いから売れないのか、売れないから高くなるのか。

古書マニアで特に古い本を読む人は、発行時代の活字に慣れる必要がある。

流石に旧漢字や言葉使いは、慣れとは別の知識なのだが。

(2016/03/04)

「初出本は誤植や間違いが多い」

本の内容はあくまでも人が執筆するので、間違いは起きる。

同時に校正を行っても、少なく出来てもゼロにはなかなか出来ない。

完成してから読むと意外とミスが判るので、増刷や復刊の機会があれば多くは訂正される。

またミスではないが、内容にクレームがある場合もあり、その為に訂正・抹消する事もある。

ただ本は、多くは一度読むと増刷や復刊を読まない性質がある。

古い時代では、間違いに気づいても費用面で修正しにケースも有ったようだ。

また復刊の場合に、著者の校正や加筆訂正を行う場合としない場合がある。

もっと困った事に、後年の訂正版より初出版を復刊する事もある。

折角修正されたものが、元のミスものに戻ってしまう。

一番誤りが多い、初出版が古書で出回りやすいという実状は微妙だ。

(2016/03/14)

「翻訳は誤訳との闘い」

欧米圏を中心にした翻訳は古くから行われている。

最近は、新訳が多数行われているが、口語表現や現代語への改訳だけでない事が多い。

それは過去は普通に受け入れていた訳に、誤訳や解釈上の問題が見つかっているからだ。

古書でたとえ、抄訳でも読んだ人は新訳への対応は微妙だ。

だが、誤訳絡みとなると相当に気になる。

英語では、人以外にも人称で呼ぶので、それを日本語にするときは解釈が入る。

英語では、人間関係の表現が日本語と異なるのでそこにも解釈が入る。

小説や、ミステリでは曖昧な表現や読む人に明確に示さない表現が存在する。

その部分は実に訳し難いし、場合によっては作品全体を左右する事になる。

また、欧米では常識の慣用句が日本では通じない、さてどうするか、そもそも翻訳者が理解しているか。

とにかく、解釈を含めて誤訳といわれても仕方がない事は多発する。

(2016/03/24)