古書日記(2016/06)

「解説・序文・・・その他」

特定の作家の本を集める・読むマニアもいる。

マニアでなくとも、好きな作家が存在する事は普通だ。

ただマニアになると、例えば小説作家でも、その他の著作も集める・読むのがマニアだ。

そして、多くは情報が不足している。

残り易いのは、雑誌のコラムや、他の作家の本の序文や推薦文や解説だ。

ただそのリスト・書誌がどれだけあるかは、一般に乏しい。

これが、別冊や投げ込み月報やカバーや帯となると消えて行く率が高い。

そして、それらが後にまとめられることも少なかった。

最近に、一部のものが復刊や、小冊子でまとめられる事がある。

商業的には難しいのだが、一部にしたり、工夫する。

マニア向けの同人誌的な発行活動も、残す事が出来る。

著作権の関係で制約があるのだが、作家にプラスでも著作権者不明で許可が取れない事もある。

(2016/06/02)

「テキストの復刊」

著作権は本のテキストだけでなく、挿絵・装丁・解説など多数に存在する。

増刷は、初版時に取り決めだあるが、復刊となると事情が変わる。

一般には、テキストのみの著作権者を対象とした復刊が行われる。

著作権が生きているか、生きておれば誰が保有しているか。

テキスト的には、ほぼ比率が決まっており著作権者が見つから無いときも費用をプールして発行する事も多い。

厳密には、復刊を望んでいない著作権者がいる可能性はあるが、未発表以外は公表されていると考える様だ。

その典型がインターネット上の「青空文庫」だ。

電子書籍リーダーがアプリ・ソフトで提供される時には、最初に「青空文庫」対応にする事が多い。

著作権有効期間を超えて、読まれるコンテンツは非常に僅かだ。

死後に著作権を残したいとどれだけ考えているかも不明だ。

(2016/06/12)

「活字サイズ」

古書には活字サイズが小さいものがかなり含まれる。

仮名遣いが古く、紙と印刷が悪い状態は普通だから、活字が小さいと読みがたい。

拡大鏡で読むのが、一般のスタイルだが、大きくしても読めない事は多い。

旧漢字や仮名遣いは、知識の問題だが活字潰れは難解だ。

他の本や、別の版を探す事になるが、それが存在しない事も多い。

存在しても、入手も閲覧も出来ない事は普通だ。

復刊の時には、修正が行われるが作業者の技量に負う所が多い。

アナログ時代の産物とも今は言われるが、デジタルでも元データ次第では信用性は異なる。

いつごろか、文庫を含めて活字サイズを大きくする出版社が増えた。

紙質にもよるが、ページ数が増える事が多く、本の厚みも増える。

その次は、分冊になるが、それは古書的には散逸し易いとも言える。

(2016/06/22)