「挿絵と装丁の魅力」
雑誌や新聞が初出の小説・エッセイ類は、挿絵が入る。
単行本、特にハードカバーや簡易版以外の場合は、独自の本の装丁や挿絵が付く。
テキストがコンテンツであることは変わらないが、図鑑・紀行・科学書でなくとも図表は無視できない。
新書や文庫版になる時に、初出の挿絵が採用されないのは、費用と著作権の問題が絡む。
少年向けの出版を中心に、図表・挿絵の比重が高い分野はある。
復刊時も同じ問題はあるが、テキスト以外にも目を向ける事もある。
テキスト文の復刊でも、著作者への連絡が取れていない事はかなりある。
それ以上に挿絵や図表類の製作者の著作権保有者(継承者)と連絡が取れていない事は多い。
写真も同様に、著作権やあるいは肖像権が絡む事がある。
挿絵や写真がテキストと一体になってコンテンツとなる事もある。
その時に、許可が得られ無いときは、新たに作成したり、代替品を準備する。
一部の作者の挿絵やイラストは、それ単独で復刊されている。
(2017/03/09)
「著者サイン本」
読者は書籍は作者名で選ぶ事が多い。
内容は通常は読んでから判るから、作者名で選び信用する。
そういう関係からは、著者は読者にはファンとの位置つけにある事は多い。
著者サイン本は、印刷ではないので、正確には世界で一冊のものとも言える。
そこまで言わなくとも保有した人は多い。
サインの他に日付や捺印等が有ることも多い。
為書きといわれる、追加の文言もあるが、そこの個人名は一般には微妙だ、本人には大切だが第三者は不要だ。
サインには偽物が出回るので、自身が書いて貰った物や出版社などから入手品以外はリスク含みだ。
サインは著者の死亡後に捜されることが多い、新規がなくなる意味なのだ。
現在は電子執筆時代で、肉筆原稿が無くなっているので、肉筆サインの位置付けは変わる可能性がある。
(2017/03/19)
「二重カバー本」
正確には多重と言うべきだろう、最初は包装として登場したカバーだ。
今でも本体の汚れと痛み防止の目的だが、いつのまにか本体一部の扱いだ。
多くはそのカバーの上に書店カバーをつける傾向がある。
包装用だから有無は価格に無関係なのだが、帯を含めて一部扱いが多い。
古書になると、カバーや帯の有無は商品内容となる傾向だ。
月報は本体一部で、チラシはそれ以外だが、情報という意味では、カバーと帯もチラシも同じかもしれない。
ただし、カバーや帯やチラシは同一版でも変わる。
本来は返品された時にカバーを変えて再出荷する目的だ。
現在は通常カバーに、受賞カバーやイベント情報カバーなるものもある。
包装目的に情報発信が加わったのだが、短期間の場合は重ねカバーにする事もある、チラシも同様だ。
時間が過ぎた古書では、古いカバーやチラシは保有者で意味は異なる、資料性は微妙だ。
(2017/03/29)