「復刊か再編集か」
書籍の復刊は、単純な復刊は希で編集を行う事が多い。
文字・活字や仮名遣いは、時代と共に変わるので読む行為からは変更が必要だ。
通常は復刊は修正を行う事が多く、増刷では何もしない。
企画としては、写真版での復刻や、あえて旧字体での復刻もある。
資料的な優先度か、あくまでもテキストを読む事を優先するかで異なる。
古書を購入する場合も、出版された時代でそれが変わる事は理解が必要だ。
作品集になると、作品単位で復刊とみるか、作品集として復刊と見る別れる。
概ね本は分厚くなる傾向があり、作品集は含まれる作品数は増加の傾向がある。
したがって、ページ数の少ない本で復刊するか、再編集で内容を変えるかに別れる。
2冊を1冊にしての復刊という判りやすい事は希だ。
複数冊の文庫を復刊する時は、概ね再編集のシリーズになる。
そこでは個々の作品で見ると、全く新しい作品集になる。
(2017/06/07)
「未完結作品」
単行本は完結しているか、完結を見越した連続の途中までが普通で常識だ。
完結予定は色々な事情で、予定外の状況で完結しない事は有りうる。
歴史的に残る未完結作品は、主に作者の病気や死去などの事情で中絶した事情がある。
ミステリージャンルでは特に、完結しないと真価がわからないと言うジャンルの事情がある。
特定の作者が人気があり、全てが出版されたときに、未完結作品も資料的に出版された事はある。
それが作者の死後直ぐというのは、多くはない筈だ。
最近に、色々な事情の中絶作品が出版された・出版予定だ。
連城三記彦の死後に、雑誌等の連載後に単行本に成っていなかった作品が出版された、作者の手直しがないのが残念だが意味は判った。
北森鴻の死後に10年前に連載されて中絶した作品が、中絶として出版された、鮎川哲也の中絶作品の出版予定だ。
病気で中絶された内田康夫の作品は中絶で出版されて、書き継ぎ部分が公募になった。
(2017/06/17)
「公募賞の受賞作なし」
2017年は、江戸川乱歩賞と横溝正史賞という、長編公募賞が受賞なしとなった。
受賞なしは一般には珍しくないが、乱歩賞と正史賞の最近の傾向からは珍しい。
直木賞にも言えるが、主催側の希望で受賞作を出したい意向がある。
受賞作も候補作も、その後の受賞作家の活動も選考結果では決まらない。
あえて言えば、作品が出版されないと以降に消えてしまう可能性はある。
最近の様に新人賞的なものがふえると、個々の賞の比重は下がる。
公募賞の候補作が、受賞を逃した後に出版された事はそこそこある。
そのいくつかは著名になり、残りは消えて行き古書でしか読めない。
それを探して古書で読み、当時の選考内容を見返る事もある。
希に、選考に異議あるが時代性と選考委員の考え方は変わるのだ。
(2017/06/27)