古書日記(2017/12)

「映画化・テレビドラマ化の原作」

小説が、映画やテレビドラマの原作になる事は、長く続いている。

昔は歌がヒットするとそれをモチーフにした映画が作られた。

最近は、小説の原作よりもコミックや漫画が原作となることが増えている。

作品原作の発行部数や、短期的な人気度や、読者年代等が考慮されるのだろう。

実写映画と同様にアニメも多く制作されるので、その原作にも選ばれる。

そして、テレビドラマと映画と、実写とアニメとの組み合わせで複数制作される事もある。

コミックや漫画には、小説を原作にする分野も複数有る。

ケータイ小説というジャンルを含めて、人口減・読書人口減と言われる時代には本は広く考える必要がある。

映像は、原作を読んでいる事を前提にはしない。

原作を読んでいるから映像は見ない人よりは、映像を見て原作にも興味を持つ人は多そうだ。

少なくとも、映像化の帯をつけた本が書店に並ぶ事は多い。

複数帯や、重ね二重帯も登場して、抱き合わせビジネスは盛んだ。

(2017/12/04)

「歴史の啓蒙書」

歴史好きの人は多い、そのレベルは広い。

一般にも読みやすい、いわゆる啓蒙書の需要はいつもある。

ただし新刊ともなると、新しい情報や視点が含まれる事が求められる。

時代小説の出版は続き、その中に歴史の史実を元にした歴史小説も含まれる。

このジャンルは司馬遼太郎や海音寺潮五郎や吉川英治などの、ロングセラーが存在する。

視点や主人公を変えた新刊は、まだまだ新刊として出されている。

併行して、歴史研究者が書いた、情報書と解説書が人気だ。

そこでも視点の見直しが図られ、時代も広がりを見せる。

たとえば、書き方もハウツウもの風や、現代ビジネスものを意識したものが人気だ。

戦国時代と江戸時代の定番から、明治と室町時代以前に広がっている。

(2017/12/14)

「横溝正史の普通小説発見」

地方新聞に掲載された小説は、単行本になっていない事はあるようだ。

横溝正史の著作は広く探されているが、書かれた事だけが判っていた作品がある。

それは実は多くの作者に該当するようだ、探し方は作者毎に差がある。

新潟の新聞に連載された、戦中の普通小説が見つかったと発表された。

そのニュースによれば、2018/02に出版予定だともいう、流石に横溝だ。

戦時中は探偵小説は軍政府に出版が制限された。

探偵小説作家は、時代小説や諜報小説を書いた。

横溝は、人形佐七捕物帳を主体に書いた、だがそれも禁止になった。

その後に普通小説を書いたと言う、それが今回見つかった。

原稿ではなく、発表済みのものならば残っていると考えるのは現代感覚であり最近の事だ、資料が少ないものは多い。

(2017/12/24)