古書日記(2018/02)

「電子書籍での出版と復刊」

電子書籍がようやく軌道に乗ってきた。

ただしまだ、紙の出版物のそのままの電子化と勘違いが多い。

紙の本に必要な、表紙や背表紙や、あとがきや解説や、出版ニュースや帯等は本来は別物だ。

電子化の対象は、本文テキストのみだ。

図表や写真やイラスト、あるいは目次等も、オリジナルのテキスト以外がある。

それらは電子化の対象とはなりがたい。

電子化には、その手順と販売管理とが必要だが、それらは紙の本の装丁に近い。

そして本文テキスト以外もそれぞれに、著作権との権利がある。

著作権の管理は実は難しく、紙の本でも電子書籍でも大きなハードルになる。

その結果は、本文テキスト+それぞれに作業と必要な権利を付け加える事になる。

電子書籍を拡げる場合には、本文テキスト以外の紙媒体の要素を除く事が普及のきもになる。

そして、電子書籍に古書が存在出来るかが次の課題になるだろう。

(2018/02/02)

「書籍の奥付けの年月日」

書籍には奥付けがあり、そこの記入内容にはある程度の決まりがある。

「書籍の題名・著者」「発行年月日等」「発行者・印刷・発行所の情報」だ。

その他にも必要と判断する情報を載せる。

「発行年月日等」では初出日付と、増刷情報や改訂情報が載る。

年月日については、古書を見るとほぼ元号表記だ。

ただし平成以降は、西暦の年号が増えている。

西暦と元号の相互変換が次第に暗算でやりにくくなっている。

古書では、大正と昭和元年絡みが、そこそこ厄介だ、元号がまもなく変わるが西暦がより増えると思う。

奥付けは発行日記入だが、印刷日と発行日の双方記載もあった、月がずれることもあり混乱する事もある。

書籍には誤植が付きものだが、実は「発行年月日等」にも誤植があり、書誌的には厄介だ。

(2018/02/12)

「出版の電子化で改版が増えるか?」

古書には版型転用本がある。

過去に出版された本の、組んだ活字を再利用して、復刊するケースだ。

出版社や題名が変わる事も普通にあるし、短編では収録作が減る事もある。

版が同じだから誤植が残る事も多い、修正忘れもある。

コンピュータの普及で、編集から印刷までがデジタルデータの電子化が進んだ。

そこでは、手書き原稿も、古い本の復刊も、作者の新しい原稿(ワープロ電子データが多い筈)も電子化される。

電子化されると、編集も修正も、活字化しての出力もコンピュータを使用出来る。

基本的には、ハードカバーも文庫も、同じデータは使用出来る。

この状態では、最近流行の活字を大きくする、文字間隔を広くする等が容易に行える。

これは完全復刊よりも、何かの改版が増える事を予測する。

(2018/02/22)