古書日記(2018/03)

「絶版本の探求」

古書マニアは、絶版本の探求の一面がある。

版型の異なる本の探求まで、行う人は多くは無いが、絶版本探求は多い。

絶版本を読みたい人と、保有したい人と、その他がいる。

その他には、今に入手しないと将来はより入手が難しいと考える人もいる。

古書マニアには、絶えず未読本を手元に持たないと不安な人も多い。

新刊書購入だけでは、満足出来ないのだ。

あとは絶版本の探求が、楽しい人もいる。

そこには本の知識が関する、古書の知識と情報は奥が見えない。

完全に研究されてかつ提供されている分野や著者は、ゼロに近い。

メディアに幻の著書や原稿発見のニュースが掲載されるが、それが話題になる世界なのだ。

どこかに知識を持つマニアがいても、情報が流れていないと無いのと同じ状態だ。

ネット時代に成り、共有化が進むが部分的に入口に入った所だと感じる。

(2018/03/04)

「作者別作品集と再編集作品集」

テキストとしての小説は電子書籍を含めて復刊される可能性はある。

だが雑誌・ムック・アンソロジーになると復刊される事は希だ。

個人作品集は作者と時代性で復刊頻度と内容が変わる。

単行本初出の作品集は概ねは収録数は少ない。

それがそのまま新書化・文庫化される事もあるが、追加変更も希にある。

一部の作者以外は、単行本作品集も少なく、その復刊もより少ない。

ただし時間が経過すると希に、作者全体の作品からの選出で作品集が編まれる事がある。

それは全集がベストだが、選集でも意味は多い。

だが作品集が多く出されている作者については、復刊は再編集になってしまう。

復刊はうれしいが、どれかの作品集を読んだ人には悩ましい事になる。

(2018/03/14)

「内田康夫氏死去」

人気作家の内田康夫氏が死去した。

多数の著書は多くが現役であるが、文庫を中心として復刊も多い。

当然ながら市場に多く出回るので、古書も多い。

読書マニアも、流石にいつでも入手可能だと思うが、そろそろ転換期か。

似た状況の作家は過去にもいたが、本は作者の死以降は急激に流通が減る。

そして著名なタイトルのみに収斂する。

入手困難本が増え始める事になる。

内田康夫はファンクラブを持ち、その会館も設けていたので絶版本がすくなかった。

その死後の動きも気になるが、傾向としては代表作に収斂するのだろう。

短編が非常に少ないという特徴があるので、その影響も注目だ。

(2018/03/24)