古書日記(2019/02)

「本への書き込み」

古書はユーズド品だが、その状態は普通に気になる。

外観上の美本が望まれるが、客観的には感じかたは差が出る。

読んだ跡が無い事・目立たない事を望む人がいるが、流石に無理だ。

古書の美品とは、読書した跡以外の汚れや痛みの有無を評価するのが一般的だ。

本への書き込みは原則はマイナスだ。

著者サイン本や知名人蔵書への、付加価値は一般的でなくて個別事項だ。

為書きに人名がある場合はより微妙だ、一般的にはマイナスだが、知名人への贈呈は個々に評価は異なる。

蔵書印は古書の世界では、本好きというよりも嫌がらせに見える。

サイン入り新刊本は、古書扱いとなり返品からカバーを代えて再出荷は難しい。

フランス装という、袋とじ本が不良扱いになった話しは笑えないが、袋を破るとユーズドになる。

(2019/02/07)

「大河内常平の復刊」

復刊本の解説者が、単行本が多いが復刊されて来なかった最後の作者だと言う。

そのせいなのか、古書市場の流通は多くなく、高騰している。

結果的に読んだ人は非常に少ない。

作家の解説でも、少ないなかで内容が別れるようではっきりしない、故に読者は増えなかったようだ。

2010年以降に、「珍本全集」と「大河内常平探偵小説選1・2」の3冊が復刊された。

本の題名が過去に変えられて出版された事で、知らない人(ほとんどの筈)は困る作者だが、復刊3冊は重複を避けている。

書誌的な作者の全貌を示しきれていないので、全体のどれ位に復刊されたかは明らかでない。

作風は・・・・、当然ながらひと言でまとめられるほど狭くない。

根気よく読むしかないのだが、3冊以降に他が復刊されるかは不明だ。

「宝石」との古雑誌で読む人や、マイナー雑誌に興味がある人には出会う機会はあるが、ここでも題名は単行本と食い違う事はあるようだ。

(2019/02/17)

「古書と復刊との活字差」

本は電子化出版へ変わってから、大きく変わった。

データレベルでの変更が容易になり、判型やレイアウトや活字の変更が容易になった。

最近の傾向としては、活字を大きくする方向がある。

電子データの場合は、単純な復刊=増刷する代わりに活字を変えての改定復刊が増えた。

今後も同じ傾向は継続するだろう。

同じ内容のテキストの本では、古書と、電子版の復刊書が存在するとどれを選ぶか。

次第に、活字の大きな復刊本が好まれることは常識的になった。

古書を保有する事は、復刊された後には読む以外の意味が必要かもしれない。

古書でしか読めない作品や作者は多数存在する。

古い雑誌の復刊も行われているが、効果でレアの場合は悩ましい。

(2019/02/27)