「ノベルス版の盛衰」
新書は現在も出版数が多い、ページ数は少なく、全部読むのに手頃だ。
小説を新書版で出版する事は、一時は非常に多く、多数のレーベルがあった。
現在でのレーベルとノベルスは続いているが、文庫に比べて減少している。
ノベルスは書き下ろし作品の初出を中心にして、多数存在する。
ベストセラー作家は、ハードカバー等の単行本で出て、文庫版で復刊・版変更で出版される。
ノベルスが全盛期は、ハードカバー>ノベルス>文庫へと版型を変えて出版された。
ただし初出本が、版を変えて復刊されない事も多い、あるいは遅い事もある。
現役でない本を探す場合は、古書が1方法だが、ノベルスが存在する事も多い。
有名なレーベルでは、増刷を繰り返して膨大な流通量の場合もあり、収集家もいる。
厄介なのはマイナー・レーベルの増刷がない本だ。
ノベルスには作品ページ数が中篇のものも多く、そのまま復刊しにくい事情もある。
(2019/03/09)
「小栗虫太郎作品集」
小栗虫太郎はデビュー時から人気作家だったが、そのまま評価が高い。
日本のミステリは、第二次世界大戦後に本格にゆれ、昭和30年半ばから社会派登場し揺れた。
1985年の新本格登場でもまた揺れたが、どれともある程度の距離があるのが小栗作品だ。
それ故か複数回の復刊と、ミニ全集が組まれた。
ほぼ全てが復刊され、一部は現役流通している。
初出雑誌・初出本・復刊本が全て同じでなくて、変化している。
旧かな遣いに旧漢字体の改めと、小栗特有のるぴの問題がある。
読者と編集者ともに、どれが好きだかはわかれる、そのために最新判以外を好む人もいる。
そのためにどれが定本かが意見が分かれるようだ。
雑誌も初出単行本も入手希望者は居り、復刊本も内容が微妙に変わりが生まれる。
(2019/03/19)
「内田康夫の古書」
松本清張を代表として、作者の死で復刊も急激に減ることは常識になっている。
それでも一定の本が、書店に並ぶ作家は少数の例外だ。
作品数の多い作家が死去すると、その本の扱いが気になる。
内田康夫が死んで、1年以上経過し、新刊・復刊は似た状況だ。
だが直前までが、多数の本が出版されていたので、古書では多数が流通している。
もしも収集するならば、いまが最後の機会だろう。
そこで数を調べると多い。。
メインの浅見シリーズが115冊を超え、全体でも150冊を超える。
収集して読むのかと考えると躊躇する。
感覚的にまとめ買いは30-50冊までかと思う。
(2019/03/29)