古書日記(2019/03)

「ノベルス版の盛衰」

新書は現在も出版数が多い、ページ数は少なく、全部読むのに手頃だ。

小説を新書版で出版する事は、一時は非常に多く、多数のレーベルがあった。

現在でのレーベルとノベルスは続いているが、文庫に比べて減少している。

ノベルスは書き下ろし作品の初出を中心にして、多数存在する。

ベストセラー作家は、ハードカバー等の単行本で出て、文庫版で復刊・版変更で出版される。

ノベルスが全盛期は、ハードカバー>ノベルス>文庫へと版型を変えて出版された。

ただし初出本が、版を変えて復刊されない事も多い、あるいは遅い事もある。

現役でない本を探す場合は、古書が1方法だが、ノベルスが存在する事も多い。

有名なレーベルでは、増刷を繰り返して膨大な流通量の場合もあり、収集家もいる。

厄介なのはマイナー・レーベルの増刷がない本だ。

ノベルスには作品ページ数が中篇のものも多く、そのまま復刊しにくい事情もある。

(2019/03/09)

「小栗虫太郎作品集」

小栗虫太郎はデビュー時から人気作家だったが、そのまま評価が高い。

日本のミステリは、第二次世界大戦後に本格にゆれ、昭和30年半ばから社会派登場し揺れた。

1985年の新本格登場でもまた揺れたが、どれともある程度の距離があるのが小栗作品だ。

それ故か複数回の復刊と、ミニ全集が組まれた。

ほぼ全てが復刊され、一部は現役流通している。

初出雑誌・初出本・復刊本が全て同じでなくて、変化している。

旧かな遣いに旧漢字体の改めと、小栗特有のるぴの問題がある。

読者と編集者ともに、どれが好きだかはわかれる、そのために最新判以外を好む人もいる。

そのためにどれが定本かが意見が分かれるようだ。

雑誌も初出単行本も入手希望者は居り、復刊本も内容が微妙に変わりが生まれる。

(2019/03/19)

「内田康夫の古書」

松本清張を代表として、作者の死で復刊も急激に減ることは常識になっている。

それでも一定の本が、書店に並ぶ作家は少数の例外だ。

作品数の多い作家が死去すると、その本の扱いが気になる。

内田康夫が死んで、1年以上経過し、新刊・復刊は似た状況だ。

だが直前までが、多数の本が出版されていたので、古書では多数が流通している。

もしも収集するならば、いまが最後の機会だろう。

そこで数を調べると多い。。

メインの浅見シリーズが115冊を超え、全体でも150冊を超える。

収集して読むのかと考えると躊躇する。

感覚的にまとめ買いは30-50冊までかと思う。

(2019/03/29)