古書日記(2019/08)

「坂口安吾の復刊」

坂口安吾の作品は復刊される事が多い。

探偵小説である、「不連続殺人事件」の人気は高い。

それ以外となると急に知名度は下がるが、意外と復刊はされる。

そもそも坂口安吾作品は、ちくま文庫の文庫版全集がある。

身近にあっても気がつかないのかもしれない、ほぼ全て載っている。

「復員殺人事件」は中絶し、高木彬光が書き継いだ長編が存在する。

ちくま文庫の「本格推理編」には、高木の書いた分も参考として乗っている。

文庫全集を見ると、推理小説は一部でしかないが、復刊に関しては人気がある。

創元推理文庫の日本探偵小説全集にも、坂口安吾集がある。

それでも復刊は、良い事だ。

(2019/08/06)

「クリスティ文庫」

著名な作者でも、復刊作品は代表作に限られがちだ。

古書で他の作品を見つける事になるが、文字・漢字・口語体で書かれた復刊よりは読みづらい。

電子植版以降は、活字が読みやすくなった。

増刷が期待出来る作品は、新版として読み易く改訂して増刷される事も多い。

海外作品の翻訳では、それが新訳となりより差が大きくなる。

早川書房の、アガサクリステイ文庫は、クリステイ作品を読みやすい状態で維持している。

多数の旧版の翻訳がある、クリステイ作品だが、新訳の最新版は圧倒的に読みやすい。

古い版にも良さはあるだろうから、古書の魅力は別だろうが、読みやすさでは別だ。

多数の作品が、新しく維持されているのは、他の作者ファンには羨ましい限りだ。

(2019/08/16)

「山田風太郎の時代小説」

ペン書きの作者の自筆原稿は、時代と共に脱色して擦れて来ると言う。

和紙に墨書きの古文書っが長く残っているから見過ごされがちだ。

消えてしまう前に、デジタル化そて保存するしかないともされる。

第二次大戦付近の作者は、洋紙原稿用紙への万年筆が多いので可能性が高い。

多くの作者が対象と思うが、横溝正史と山田風太郎が対象となったようだ。

山田風太郎は時代小説や忍法帖がその対象のようだ。

個人的にはミステリが対象でないのが残念だ。

既に文庫版全集が編まれており、テキストのデジタル化はおこなれている。

自筆原稿のデジタル保存は、それに加えてだから作家としての評価が高いのだろう。

(2019/08/26)